小学校入学に向けて、勉強を習慣化させておいたほうが良いのかな?そろそろドリルをやらせた方がいいのかな?と思うお母さんもいらっしゃるかもしれませんが、勉強の土台となるのは「聞く力」。学習の準備として、「聞く力」を鍛える遊びに取り組んでみませんか。 |
勉強を習慣化するために。発達の順序を知りましょう
年長さんのお子さんがいらっしゃるご家庭では、「小学校入学に向けて、我が子に勉強の習慣をつけなければ!」とドリル学習を頑張ってやらせている方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、そんなご家庭に警鐘を鳴らします!
勉強を習慣化させるために本当に必要な力とはどんなものなのか、この記事で知っていただけたら嬉しいです。
先に断っておきますが、ドリル学習自体を否定しているわけではありません。
まずは、ドリルやプリントといったいわゆる「机の上でやるお勉強」にどんどん取り組んでいい場合と、やめた方がいい場合をご紹介します。
◆ドリル学習にどんどん取り組んでいい場合
お子さんが以下の様子であれば、どんどんドリルやプリントを取り組んでも大丈夫です!
・小学校の学習に取り組めるだけの脳の発達が進んでいて、本人も「やりたい!」と意欲的であること
・親子関係がスムーズであること
あなたのお子さんはいかがですか?
◆ドリル学習に取り組むのを一旦やめたほうがいい場合
・普段から「〇〇しようね」と声をかけても、ちっとも聞いていないと感じる
・ドリル学習をやらせようとすると反発をして、親子げんかしながらやらせている
もし、このような状態が見られるのであれば、「聞く力」が十分に育っていない段階です。
集中力を鍛えよう!!あるいは、勉強の習慣をつけよう!!とドリル学習をさせようとしているのであれば、
集中力の育成には何の役にも立たないばかりか、勉強嫌いのタネを育てることになりかねません。
ドリル学習の前に、勉強の土台となる「聞く力」を育てることに意識を向けてほしいと思います。
学習に必要な「読む」「書く」力の土台となる「聞く」「話す」力
物事には順番がありますね。『学習に必要な力』に関しても、文部科学省が次のように定義しています。
①聞く
②話す
③読む
④書く
⑤計算する
⑥推論する
そして、脳の発達に照らし合わせた場合も、この順番で発達していくのです。
ドリルの学習を行うには、読む力と書く力が必要です。
そして、読み書きができるようになるには、聞いたり、話したりといったコミュニケーションの力の発達がベースになります。
勉強の土台的な「聞く」力が十分に育っていない子はうまく話すことができなく、コミュニケーションも上手ではなく、当然、読み書きもうまくいかないということが起こります。
脳が未発達の状態で、いやなことをやらされ続けると…
うまくいかない状態は脳の中の道路(ネットワーク)が未発達の状態ということです。
脳が未発達の状態で「ドリル」という反復学習で「いやいや」やらされたらもうやりたくない!!となるのも当然ですね。
机に向かって勉強する、ということ自体が嫌いになってしまったら、この先、小学校へ入学して大半の時間を「机に向かって過ごす」生活がやってきたときに、集中できるわけがありません。
一日中「好きではない」ことに集中することが求められる学校生活を、好きになれるわけがありませんね。
だからこそ、勉強の土台となる「聞く力」について、保護者の方にはしっかりと知識を身につけて欲しいと思います。
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お子さんの「聞く力」の状態は?
まず、お子さんの「聞く力」の状態を簡単にチェックしておきましょう。
◆あなたのお子さんはいくつ当てはまる?「聞く力」チェックリスト
発達障害・グレーゾーンの男の子は、もともと脳の聞く力はのんびり発達していきますから、
次のような様子が見られれば見られるほど、お子さんの「聞く力」はまだまだ発達の余地ありと思ってあげてください(女の子もです)。
☑人の話を最後まで聞けない
☑ 出し抜けに話題と関係のない話をし始める(一見、空気が読めない感じに見える )
☑ 好きなことには めちゃくちゃ集中するのに、普段はぼんやりしている
☑多動じゃないんだけど、キョロキョロそわそわ視線を動かしていることが多い
☑ 顔を洗う、手洗いうがいなど日々の決まりごとなのに声をかけてもちっともできない
☑ 約束をすぐ忘れる
☑ 出し抜けに話題と関係のない話をし始める(一見、空気が読めない感じに見える )
☑ 好きなことには めちゃくちゃ集中するのに、普段はぼんやりしている
☑多動じゃないんだけど、キョロキョロそわそわ視線を動かしていることが多い
☑ 顔を洗う、手洗いうがいなど日々の決まりごとなのに声をかけてもちっともできない
☑ 約束をすぐ忘れる
いかがでしょうか?
たくさん当てはまった場合、「〇〇〇くんタイプ」かも!?
イメージしやすいように言うと、ドラえもんの「のび太君タイプ」が聞く力の弱い典型タイプです。
ここにあげたチェックリストはあくまでも一部の例ですが、当てはまれば当てはまるほど、幼児期に育ててあげたい聞くチカラが、まだまだ上手く育っていない可能性が大きいです。
お子さんの「聞く力」の状態を把握して、基礎固めから始めましょう
言葉で言って聞かせようと毎日関わり続けることは、余計に聞くチカラの発達を遅らせてしまいますから、まずは、お子さんを観察してみることをおすすめします。
もしかしたら、いつもガミガミ叱っていたことが「聞く力」が弱いからそもそもできなかったのか〜などと、気づくこともたくさんあるかもしれませんね。
脳の発達は、一足飛びに進めようとすると、ものすごくアンバランスな脳に育ってしまいます。
まずは基礎固めからやるつもりで、ハードルを下げてあげましょう。
「聞く力」は遊びで伸ばそう!
では、どうやって「聞く力」を育てていくのか。ズバリ、幼児を発達させたいときは「遊び」で楽しく伸ばしていきましょう!
▼幼児期の遊びの重要性について、詳しく知りたい方はこちらから▼
◆「消えるポケモン探し」ゲーム
「聞く力」を伸ばすためにご紹介するおすすめの遊びは「消えるポケモン探し」ゲームです。
(このゲームは、日常の中で子どもを叱ることはなく、親子の会話はいつも穏やかであるご家庭で取り入れてみてくださいね! )
やり方は次の通りです。
①今日のポケモンを3つ決める
②ポケモンのシールを家中のどこかに隠す(貼る)
③一つ一つのポケモンについて、「ポケモンの特徴」「ポケモンの属性」「ポケモンのいる場所」の3つのヒントを順番に出して、最後まで聞いてから探しにいく
②ポケモンのシールを家中のどこかに隠す(貼る)
③一つ一つのポケモンについて、「ポケモンの特徴」「ポケモンの属性」「ポケモンのいる場所」の3つのヒントを順番に出して、最後まで聞いてから探しにいく
この手順で行います。
その子の状態に合わせて、成功体験で終われる工夫を!
この手順に、3つのヒントを聞き終わる前に少しでも動いてしまったら、そのポケモンは消えてしまう・・・という条件を追加します。
ポケモンが消えてしまう条件はその子の脳の発達具合に合わせて細かく調整してあげる必要があります。
注意欠陥多動性障害(ADHD)傾向がある子に、動いたら消えてしまうのルールでは厳しすぎますし、
記憶の容量が少ない子に3つのヒントは覚えきれないかもしれません。
記憶の容量が少ない子に3つのヒントは覚えきれないかもしれません。
ポイントは「最後まで聞く」ということなので、脳の力を少し集中して発揮すれば必ずポケモンをゲットできるように、他の条件のハードルを下げてください。
成功体験で終わってあげることが、脳の力を伸ばすには何よりも大事です。
お子さんの「好きなもの」でやる気をアップさせる!
集めたい!という気持ちがわきやすい「宝」を用意してあげることで、本人のモチベーションに火をつけるのも大事です。
この遊びはもともと、私が心理士時代に、療育教室で自閉症スペクトラム(ASD)の男の子と二人でハマっていた、ソーシャルスキル指導の一貫としてやっていたゲームです。
その男の子は、ポケモンが好きすぎて、漢字の勉強も算数の勉強も、私との学習では全てポケモンを使って学んでいました。
このように、その子の好きなものを活用したほうがやる気がぐんぐん湧いてきますので、我が家で導入したときには、二人の娘たちはすみっこぐらしにはまっているので、ポケモンをすみっこぐらしに変えました。
はじめは大きな抱き枕サイズのぬいぐるみ、次に手のひらサイズのぬいぐるみ、最終的に小さなシール…と、本人たちが探しやすい大きさにも配慮しながら、宝探しを楽しんでいます。
本人たちの提案で、すみっこたちのアクセサリーやご飯を集めたい!との要望があったので、折り紙で一緒に作っては、今度はそれを宝の代わりに隠して「消えるすみっこのご飯ゲーム」と題して楽しんでいます。
「聞く力」はお母さんとのコミュニケーションで伸ばそう!
「聞く力」は学習の土台になる必須の力です。 しかし、学習の場面で無理やり伸ばそうとする必要はありません。
はじめはお母さんとの1対1の丁寧なやり取りの中で、まずは基礎になる聞く力を身につけることができるのです。
まずは、ご家庭でしっかりお子さんとコミュニケーションをとることから始めて聞く力を伸ばし、勉強を習慣化することに繋げていってくださいね!
執筆者:石澤かずこ
(お母さんの小学校★ななほし代表)
(お母さんの小学校★ななほし代表)
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