すぐに手が出てしまう子どもと遊ぶと決まって泣かされていた3歳の息子。「怒りっぽいあの子はADHDなのかな?」と決めつけてしまっていた私。お友だちを叱るのではなく、わが子の行動に注目することで、子ども同士仲良く遊べるようになった秘密をお伝えします。 |
一緒に遊ぶ度にわが子が泣かされる。怒りっぽいあの子はADHDなのかと思い込んでいた私
子どもが小さいときは、ママが声をかけ、お友だちと遊ぶ機会を作ることが多いのではないでしょうか?実際にお友だちと遊んでいるわが子を見ると成長を感じますよね。
でも、子どもは常に仲良く遊べるわけではなく、些細なことでケンカになってしまいやすいのも事実。子ども同士がまだ幼いと、楽しく遊ぶ時間は短かったりしますよね。
また、毎回ケンカになったりわが子が泣かされてばかりだと、一緒に遊ばせることをためらってしまうかもしれません。
「もしかして、最近よく聞く発達障害の注意欠陥多動性障害(ADHD)傾向がある子なのかしら?」
なんとなく聞いたことのあるADHDの子の特徴は、怒りっぽかったり、すぐに手が出る…。
あれ?いつもトラブルになるあの子、当てはまる。一緒に遊ばせてもいいのかしら?
と正しい知識がないからこそ不安になってしまうことがあるかもしれません。
実は、私も過去にそんな経験がありました。
そのときは、わが子もお友達も3歳と共に幼児でした。
はじめは仲良く遊ぶのですが、途中で息子が叩かれたり引っかかれたりしてトラブルになってしまうので、「怒りっぽいあの子とはもう遊ばせないようにしよう。」と、私は思い始めていました。
けれども、わが子は泣かされても叩かれても一緒に遊びたいと言い続けたのです。
なので、私はわが子の願いを叶えようと「仲良く遊ぶためにはどうしたらいいのか?」に視点を変えることにしました。
すると、お友達と長く楽しく遊べるようになったのです。
3歳児同士では仲良く遊べなくて当たり前。息子の主張により考えを変えた私
ADHD傾向がある子は、イヤなことがあると手が出てしまうことや怒りのスイッチが入りやすいという特徴があります。
その行動の激しさから「わがままな子ども」と誤解を受けやすいことがあるんですよね。
でもこの部分は、大人が環境を整えてあげたり適切に関わることで、ある程度落ち着くことができるんです。
また、3歳児は自分の感情や行動のコントロールがとても未熟。
お喋りができるようになってきたとしても、自分の思っていることをうまく言えなかったり伝えられなかったりという部分があるのは当たり前のこと。
ですので、遊ぶときやお友達との関りの中ではトラブルは起きてしまいやすいのですよね。
それまでの私は、怒りっぽいその子に対して、いつ手が出てくるのかハラハラしていました。
子どもたちのやり取りを見ていると、その子は少しでも嫌だと思うことがあると手が出てしまっていました。
私の心の中では、「この子はどうしてこんなに怒りっぽいんだろう。
どうして息子だけが悲しい思いをするのだろう。」と、叱ってしまいたい気持ちを抑えながら一緒に遊ぶことが続きました。
そして、息子の大切にしているおもちゃを壊されてしまったとき、号泣する息子に「もう一緒に遊ぶのやめようか。」と声をかけると、息子は「〇〇くんと一緒にあそびたいの。」と訴えてきたのです。
いつも叩かれたり泣かされたりしていたので、正直びっくりしました。
けれど、どんなに小さくても、親の私が口を出してお友だちとの関りを奪ってしまうのは、わが子にもお友だちにもいい影響はないと思い直したのです。
子どもたちの関係が良好になった!ママがやったことをお伝えします
私はまず、わが子とお友達が遊ぶ姿をしっかりと観察していくことにしました。
すると、必ずトラブルになるきっかけがあったことを発見したのです。
お友だちは、急に怒りだすのではなく、「彼の使っているおもちゃを息子が、何も言わずに取ってしまったとき」に怒りだすことが多いことが分かりました。
ですので、息子に「貸してって言うんだよ。」と教え、息子がおもちゃを勝手に使ってしまいそうな場面ですかさず私が「かーしーて!」と言い、息子の気持ちを代弁していきました。
お喋りができるようになっていた息子でしたが、まだまだ自分の気持ちを言葉にするよりも行動に移すことがありました。
そのため、私が息子の気持ちを言葉にしていくことが必要だったのです。
何度か繰り返していくと、息子もお友達の使っていたおもちゃを勝手に取ることなく、「かーしーて。」と言えるようになってきたのです。
タイミングよく「かーしーて。」が言えたときはすかさず、「貸してできたね。」と息子を褒めるように意識しました。
お互い3歳児なので、貸し借りができないこともありましたが、少しずつ「かーしーて。」「いいよ。」ができるようになり、楽しく遊べる時間が増えてきました。
楽しく遊んでいる間、こまめに声をかけ続けることによって、サヨナラするまでわが子は泣くことなく遊べることが多くなったのです。
今でもトラブルになることはありますが、遊びの途中でわけがわからずに泣き出す息子や、急に怒りだすお友だちの姿はありません。
怒りっぽい子とは遊ばないようにしよう。
そう思われるママもおられるかもしれません。
それは、わが子を傷つけたくないという思いからくる自然の行動だと思います。
お友達とのトラブルでどうしたらいいか迷ったとき、「あの子はすぐ怒るから…。」と思ったり、遊ぶのを避けようとするのではなく、「その子との関わりをどうわが子の成長に活かそうか」という視点で見ると、意外とスムーズに問題を解決していくことができることを、心にとどめていただけると幸いです。
執筆者:西村まる恵
▼怒りっぽいお友だちと楽しく遊べる声かけが分かります!