ASDキッズのコミュニケーション力アップを狙おう!1歳半検診で指さしをしなかった子どもを変えた“幸せホルモン”の効果

我が子に自閉症スペクトラム(ASD)の傾向があって、コミュニケーション力に不安を抱えているお母さんへ。人と人とのつながりに深く関係する“幸せホルモン”の効果を知って、子どものコミュニケーション下手で悩む毎日から卒業しませんか?

コミュニケーション力は生まれつき?

発達障害、特に自閉症スペクトラム(ASD)に見られることの多いコミュニケーション下手

例えば、
空気が読めず、視線や表情から相手の気持ちをくみ取れない。
表面的な言葉の意味にとらわれやすく、冗談やたとえ話が理解しづらい。
一方的に話すなど、会話が成り立たない…。

集団の中に入ると、どうしても社会生活に困りごとを抱えてしまいやすいASD傾向のある子どもたち。

彼らのコミュニケーション下手は、生まれつきの特性だから…とあきらめていませんか?

1歳半検診で「指さし」ができなかった息子

1歳半検診で感じた周りとの差

私には、現在小学校2年生の息子がいます。

彼は、1歳半検診のとき「指さし」ができませんでした。

そのとき保健師さんに「では、自分の伝えたいことはどのように伝えるのですか?」と質問されたことに、私は大きな衝撃を受けました。

え?自分の伝えたいこと…?

実は私、このときまで、息子が私に伝えたいことがあると感じたことがほとんどなかったのです。

眠いとかおなかが空いたとか、生理的な欲求は分かりましたが、身体だけ大きくなった赤ちゃんのような息子。

1歳半になると、子どもはお母さんに伝えたいことが出てくるんだ…と思うと、周りとの差を感じずにはいられませんでした。

「指さし」ができない…は何を意味する?

コミュニケーションの発達の基礎とも言える「指さし」という行動。自分の意思を相手に伝えたいという気持ちの芽生えと言われています。

例えば、自分の知っている花が咲いている。空を見上げるとひこうき雲が見えた。机の上にあるお菓子を取ってほしい。

そんな自分の発見や思いをお母さんに伝えたい!という指さし。

息子はこの行動がほとんど見られず、社会性やコミュニケーションの発達が周りの子よりゆっくりだったと考えられます。

そう、自閉症スペクトラム(ASD)の傾向があったのです。

人と人とのつながりに深く関係する“幸せホルモン”

ASDのコミュニケーション下手は卒業できる!?

息子の困りごとの程度は重度ではなかったため、療育を利用することも、医療機関と繋がることもありませんでした。

いわゆるグレーゾーンです。

時が経ち8歳となった現在。1歳半で指さしができなかった息子は今、どのように成長していると思いますか?

息子はしっかりと相手の表情を観察し、空気を読もうとし、相手の気持ちを想像して発言することができるようになってきています。

もちろん子どもですので、大人のようにうまくできるわけではありませんし、注意欠陥多動性障害(ADHD)の傾向も併せ持っているため、衝動的にお口が先走ってしまうことはありますが…

ASD特有の対人関係の苦手さ・コミュニケーション下手は感じていません。

これは、乳幼児期から息子にとってきた私の行動の積み重ねが関係しているのではないかと推測しています。

彼のコミュニケーション下手を卒業させる1つのきっかけになったであろう、“幸せホルモン”を紹介します。

親子に幸せをもたらすホルモン「オキシトシン」

スキンシップなどで分泌されるオキシトシンというホルモンを知っていますか?

このホルモンが分泌されると人は幸せ愛情やすらぎを感じると言われています。

誰かと一緒にいて「楽しい」「嬉しい」「ほっとする」…このように、人と人とのつながりによる幸せを感じるホルモンなのです。

さらに最近では、社会的な活動協調性をもった行動などと大きく関係があるということも分かってきました。

そして、オキシトシンは、赤ちゃんのうちから脳をはぐくむためにとても大切なホルモンです。

脳の成長が著しい赤ちゃん時代に触られる機会の少なかった子どもは、「不安感が強い」「周りの人と良好な関係を築けない」「感受性が乏しい」といった風に育つ傾向があるとも言われています。

オキシトシンがASDの薬になるかもしれない

現状まだ研究の段階ではありますが、オキシトシンをASDの方に投与した場合、相手との信頼関係を作って協力しやすくなる、表情などから感情を読み取りやすくなる、反復行動が少なくなる、などの効果が報告されています。

オキシトシンが脳の活動を変化させ、ASDの治療に役立てることができるかもしれない!というところまで来ているそうです。

こんなに効果のあるオキシトシンを、お母さんの手でたくさん分泌させてあげられるとしたら…今日からでもやってみないと損だなと思いませんか?

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子どもを変えた“幸せホルモン”の効果

親子のスキンシップでオキシトシン分泌を

今後お薬として活躍する可能性を秘めるオキシトシンですが、もともとは自分の体の中で作ることができるホルモンです。

先ほど紹介したように、抱っこやハグなどのスキンシップによってたくさん分泌されます。

子どもが乳児の場合は特に、惜しみなく抱っこしてあげてください。

幼児から小学生に上がっても、頭をなでる、こちょこちょ遊びをする、お馬さんごっこをする、肩をもんでもらう、ハイタッチをする…いろんな形で触れ合いをもってくださいね。

コミュニケーション力はコミュニケーションで磨かれる

そのほかにもオキシトシンは、人と人とをつなぐコミュニケーションでも分泌されることが分かっています。

そうなると、やっぱりお薬に頼らずともASDキッズのコミュニケーション下手による困りごとを減らしてあげられるのではないかと思えてなりません。

なぜなら、親子のコミュニケーションなんて、毎日当たり前に行うことですから。お金も時間もかかりません。

少しコツをつかめば、いくらでも親子のコミュニケーションの質は上がります。おのずとオキシトシンの分泌も増えることでしょう。

ADHDの傾向もある息子とのコミュニケーションの質が上がった軌跡はこちら▼▼

私はこれまで、息子を抱きしめなかった日「大好き」という言葉がけをしなかった日は1日たりともありません。

そして親子のコミュニケーションを1から見直しました

特性が完全に消えるわけではないけれど、この毎日のオキシトシン分泌の積み重ねが、1歳半で指さしができなかった息子の社会性の脳を成長させているのではないかと思うのです。

親子のスムーズなコミュニケーションは、子どもの発達を加速させる最高のサプリメントです。ぜひ、参考にしてくださいね。

執筆者:大塚 ひかり

▼オキシトシンがたくさん分泌するコミュニケーションのコツ。まずはこちらから!

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