毎日のお風呂。なかなか入りたがらない子どもに、忙しいママはついイライラしてしまいますよね。その原因は、子どもの過集中や飽きっぽいという特性が原因かもしれません。ママの一言で子どもの楽しい!!を引き出して毎日のお風呂問題を解決しちゃいましょう。 |
毎日のお風呂の時間。なかなか入りたがらない子どもにイライラ…
我が家の3歳年少の息子は、2歳ごろのイヤイヤ期からお風呂になかなか入ってくれなくなりました。
「おやつを食べたらお風呂だよ」「おうちに着いたらお風呂に入ろうね」と話し「うん」と返事はしますが、実際は時間になってもなかなかお風呂に入りません。
こちらとしては「さっき、うんっていったのに…」「早く入らないとご飯も寝るのも遅くなっちゃう」「もう1時間近く待っているのに」など、少しずつイライラがたまり、
最後は「お風呂に入るって言っているでしょー!!早くしなさい!!」と怒ってしまっていました。
しかし、こちらがイライラしても、息子はぐずるだけで、更に時間がかかってしまうという状態でした。
なかなか動き出せないのは、過集中や飽きっぽさなどが原因かも?
もともと幼児期の子どもは、目の前の遊びや気持ちをすぐに切り替えられないことはよくありますが、発達障害やグレーゾーンの子どもの場合、それがより目立ってしまうことがあります。
また、不注意や多動性、衝動性の高いタイプの場合、注意を向ける対象がコロコロ変わるので、さっきまでお風呂に入ろうとしていたのに、今はこれがやりたいとなるともうお風呂のことは頭にないという状態になります。
では、「過集中」と「飽きっぽい」という状態が、どういったことかを詳しく説明していきます。
過集中とは?
「過集中」とは、「過剰に集中した状態」のことを言います。
発達障害やグレーゾーンの子どもは、もともと脳の構造が特有であるということが原因で、自分が大好きなものや興味がわいたものなどは物凄く集中して(過集中)観察したり覚えたりする脳のネットワークが発達しています。
過集中の状態は集中力が高く、記憶していることも多いのでとても好ましい状態ですが、集中が切れたときに疲れやすくなり、次の行動が難しくなったりします。
また、興味がないことへの集中はあまり持続できないのも特徴です。
飽きっぽい特性の注意欠陥多動性障害(ADHD)
注意欠陥多動性障害(ADHD)の特性をもつ、不注意・多動性・衝動性がある子どもは、気が散りやすい、呼びかけの応答が弱い、じっとしていられない、興味があれば飛びつくなどの特徴があります。
気が散りやすい分、長い説明や興味がわかないものへの取り組みが苦手ですし、
じっとしていられないので、飽きてしまうような時間を作ってしまうと本来こちらがやって欲しいと思っていた行動ではないことを始めてしまったりします。
ママの声かけでスッと動けると、集団生活でも安心
このように過集中や飽きっぽさがあると、なかなかお母さんの指示が通りにくくなりますが、幼稚園や保育園では、先生の指示を受けてお子さんが自ら行動することが求められます。
入園したばかりや年少さんの間は、先生も手厚くみてくださることもあると思いますが、基本的には子どもの自主性を重んじて子ども主体で取り組ませることが多いと思います。
我が家の息子も、集団生活の中でお友達の様子が目に入り、自分はまだできていなかった、そもそも何て先生は言っていたのか?とわからなくなり、自分が今何をしたら良いのかわからなくなって泣いてしまうことがよくありました。
先生も息子に丁寧に対応してくださっていたのと、家では息子とのコミュニケーションをしっかりとることで私の指示を聞いてくれるようになりましたので、もうすぐ年中の今は幼稚園で泣くこともだいぶ減ってきました。
ですが、年中に進級すると、さらに自分で出来るようになることが求められますので、お子さんが自信をなくさないためにもお母さんや先生の指示をしっかり聞く耳がもてるようになることは、とても大切なことです。
入園後、先生の指示を聞けるかしら…と心配しているママは、こちらの記事をあわせてお読みくださいね▼
お風呂まで自分で行ってくれるようになる声かけ
では、過集中や衝動性から、なかなかお風呂に入りたがらない子どもを、どのようにしてお風呂に誘えば良いのでしょうか?
実はあっと驚く意外な方法でできるようになるんですよ。この2つの声かけを試してみてくださいね。
お風呂まで・・・よーいドン!!
まず、お子さんの集中が切れたときや、遊びの切りがよいところを見計らって、お子さんの近くまで行き、目を合わせて「そろそろお風呂にはいろうか?」とやさしく誘います。
そこで「まだー」とお子さんが言ったら、すぐに笑顔で「お~ふ~ろ~ま~で~…」とためながら言い「よ~い…ドン!!」と元気に言います。
我が家の場合、息子は「お~ふ~ろ~ま~で~」でニンマリ笑顔になり、「よ~いドン!!」ではもう立ち上がって走ってお風呂に向かっていました。
このように、お母さんが楽しく誘うことで、目の前の状況から次の楽しいことへ興味がうつり、次の行動に切り替えやすくなります。
お風呂までの過程を実況中継!!
「よーいドン!!」で走り出しても、家の中にはたくさんのトラップがあります。
さっきまで遊んでいた車が床にあった、隣の部屋に行きたくなっちゃった、そのような気が散ってしまうことを避けるために、今のお子さんの状況を実況中継してあげます。
我が家の息子は、テンションが高い方が動くので
「さあ、〇〇くん、お風呂に向かい始めました!!」
「おーっと車が落ちているがそのまま洗面所までいけるか~!?」
「おーっと洗面所まで行きました!!」
「さあ、次は服が脱げるか?おっと脱ぎだしたー!!」
「あとはお風呂場に入るだけだ。もうすぐだー!!」
「おーっとゴーールーー!!」
といった感じで、実況中継をしていました。
お子さんが少しせかされる感じを嫌がったり慌ててしまったりするようでしたら、
「お風呂に向かえてるね」
「次は服脱げるかな?」
「ズボンぬげたね、上着ぬげたね」
「じゃあ、湯舟にはいろうね」
など、静かに実況中継をしてあげるものいいですね。
また万が一トラップに引っかかってしまっても、「さあ、お風呂に向かえるでしょうか?」といった感じで実況中継の中に含めて、お風呂がゴールだよということをサラッと混ぜて誘導してあげましょう。
ポイントは、細かく行動を実況中継してあげることです。
細かく実況中継をしてあげることで気が散ってしまうことも防げますが、お子さんの行動を一つずつ肯定してあげることになり、お風呂に自分で入ることへの自信にもつながります。
我が家は3か月くらい続けていましたが「お風呂までよーいドン」と「実況中継」はとても楽しい声掛けでしたので楽しく続けられました。
また、この声かけを続けていくと徐々に必要がなくなってきますので、お子さんの様子に合わせて少しずつ実況中継の内容を減らしてもいいですね。
現在の息子は「お風呂までよーいドン」も「実況中継」もなく「そろそろお風呂に入ろうか?」と誘うと「そうだね」と言ってすんなりお風呂に向かってくれるようになりました。
ぜひ、イライラしてしまう時間を楽しいコミュニケーションに変えて気持ちの良いお風呂時間にしてください。
今日もお子さんとの楽しい時間が過ごせますように。
執筆者:宮代さちこ
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