「発達障害やグレーゾーンの子どもを叱っても意味がありません」「子どもは褒めて伸ばしましょう」そんな言葉に、「わかっているけどできないんです!」と思ったことはありませんか?今回は、知識を実践して子育てに定着させるための方法をご紹介します。 |
わかっていてもできなければ意味がない
「子どもは褒めて育てましょう。」
「いいところを見つけて認めましょう。」
「発達障害の子どもたちには、しつけは通用しないんです。」
そんなこと、十分わかってる!
わかっていてもなかなかできないんだ!
そんな風に思うことはないですか?
知識だけでは子育てがうまくいかないワケ
何か現状を変えようと思ったときにまずは「知識」を得ることが大事です。
例えば、
我が子がこんなにも幼稚園を行き渋るのはなぜだろう?
我が子が言っても言っても片付けができるようにならないのはなぜだろう?
私自身が、我が子の様子にこんなにもイライラしてしまうのはなぜだろう?
なぜ?の理由がわからないと、どうしたらいい?の解決策はわかりません。
ですので、知識を得ることはとても大事な一歩です。
しかし、どんなに素晴らしい知識を学んだところで、それが自分のものとして定着しなくては全く意味がありません。
あえて厳しい言い方をすると、わかっているのにできないのは、知らないのと何も変わらないのです。
色々知識を学んでも、「知っていること」と「できること」は、残念ながら全く違うのです。
知識だけじゃない、子育てがうまくいくママが共通して持っているスキルとは…!?▼
発達障害・グレーゾーンの子どもたちは「毎日の繰り返し」が重要
お母さんの小学校の仲間のAさんは、まさにこの「わかっているのにできない」状態で悩んでいました。
講座で学んでも、なかなかうまく子どもに実践できないのです。
頑張ろうとしている。変えようとしている。
しかし、自分のコンディションが悪いと、すぐにまた元の通り感情に任せて叱る関わりを重ねてしまう。
そのとき子どもに伝わっているのは、「お母さんが怒る」という事実の方です。
特に発達障害・グレーゾーンの子どもたちは、空気を読んだり、見えないものを想像したり、相手の態度から感情をくみ取ったりすることが苦手です。
お母さんがどんなに子どものために学んでいたとしても、それは子どもたちには伝わらないのです。
さらに怖いのは毎日この「怒る」繰り返しが起こることです。
脳は使い続けた回路がどんどん強く成長していきます。
子どもの脳の中では自分でやらなくてもお母さんがやってくれる…という回路や、ガミガミ言われてから動く…という回路ができてしまいます。
そしてママの中では結局最後は怒鳴って終わる!という負のスパイラルが固着化していくことになります。
負のスパイラルから抜け出すためにはどうしたらいいのでしょう?
知識を学んで、知る努力をするだけでは足りません。
できるようになるにはどうしたらいいのか?そこを真剣に考えていきましょう!
「知る」から「できる」に変える魔法は、「記録をつける」こと
お子さんの状態も一見悪化したように見え、落ち込んで頑張れなくなっていたAさん。
私が彼女に徹底してやるようにアドバイスしたのは、記録をつけることです。
十分に自己投資をしている。
コミュニケーションの知識だけでなく、大学レベルの発達科学の学びもしている。
それでも絶対的に足りないのは、「実践して自分のものにすること」。
そのためには、自分が子どもにどんな関わりをしているのか、感覚ではなくてしっかりと振り返り、把握し、うまくいっていることと改善した方が良いことを知ることからスタートするのが一番近道なのです。
Aさんは、 お子さんとの1日中のやりとりを1日も休まず記録をつけ、毎日私に報告してくれました。
うまくいく日ばかりではありません。
けれど、毎日の報告の中で、彼女は着実に子どもたちの良い行動に注目できる頻度が上がり、癇癪を起こしたりイライラをぶつけてくる子どもたちの状態に巻き込まれないで冷静に対応する力を身につけていくことができました。
言い訳せず、 できるようになるにはどうしたらいいのかを真剣に考える。
こういった経験を積める人こそ、お子さんの可能性を本当の意味で引き出せるお母さんになれるはずです。
私がメルマガやななほし広場でやっているのは、発達障害・グレーゾーンの子どもの特性や、お母さんの対応についての「知識」や「情報」をお届けする仕事です。
とても大事な仕事なのですが、時々、切なくなることがあるんです。
知識だけでは人を救うことはできないと知っているからです。
そしてなにより、子育てを一人で頑張り続けるには限界があります。
講座では、脳に届きやすい順番で、ステップごとにお母さんの声掛けをガラッと変えていきます。
一度にお子さんへの対応を全部をかえることは難しいかもしれません。ですが、一つずつ脳に定着するまで対応を変え続けることで、後戻りはしにくくなります。
一つずつ行動し、記録をとって、「知る」を「できる」に変える挑戦をしていきましょう!
(お母さんの小学校★ななほし代表)