小学校でADHD傾向の子どもに起こること。困りごとを解消するためにおうちでできることとは?

発達障害・ADHD傾向のある、やんちゃで「落ち着きがない」「不注意」などの特性を持つ子どもは、小学校生活ではどんなことにつまずくのでしょうか?特性やそれによって起こる困りごとを知った上で、学校生活をスムーズにするためにおうちでできる対応をお伝えします。

ADHD傾向の子どもが小学校生活で起こるつまずき

小学1年生のスタートは「集団活動」や「日常生活」にしっかり慣れるために授業も、先生の関わりも力を入れています。
そのため、衝動性や多動性といった行動の大きい子は、とにかく目立ちます。
注意欠陥多動性障害(ADHD)傾向の「落ち着きがない」と表現される状態には、2つの特性が関係しています。
1つは、「多動性」。
ついつい動いちゃう!という行動の大きさのことを言います。ちゃんと座りなさい!と言いたくなる特性のことを言います。
もう1つは「衝動性」。
これは、思い立ったらすぐ行動!という様子のことを言います。ちゃんと考えてから行動しなさい!と言いたくなる特性のことを言います。
さらに、このタイプのお子さんに併せ持ちやすい特性のなかで「転導性」という特性に注意が必要です。
これは、いわゆる気の散りやすさのこと。あちこちに注意が飛んでしまうため、結局行動が完了しないのが、この特性の強いお子さんのよくある姿です。
そして、忘れっぽいお子さんが多いので、あれ?何してたんだっけ?となりやすい。
これは、見ている大人をとてもイライラさせる特性です。
「落ち着いてやりなさい!」
「一つずつやりなさい!」
「最後までやりなさい!」
こんな言葉をかけたくなるのがこの「転導性」の高い子どもたちです。
また、たくさんの情報の中から大切な情報にスッとフォーカスを当てる力も非常に苦手なお子さんが多いです。
例えば、先生がたくさんのことを一度に指示すると、
・最後の一つしか覚えていない
・ザワザワする教室の中で先生の声を上手に聞けない
・黒板にたくさん書かれた情報の中から、連絡帳に書きうつさなくてはいけない大事な情報が拾えない
などというつまずきが学校の中では起こります。それも、毎日!
「だから、ちゃんと連絡帳書いてきなさいよっ!」
「また!何度いったらわかるの?」
「そもそも連絡帳、どっかに置いてきちゃったのー!」
というスパイラルがお家の中でも繰り替えされることがとっても多いです。
こういう「不注意な子」「注意散漫な子」。これは立派な脳の特性なんですね…

怒られやすい子どもの自己評価を下げないために、おうちでできる配慮とは?

ADHDの特性のあるお子さんには、どんな対応をしてあげたらいいのでしょうか。
それは、
・指摘しないこと
・不注意が原因で失敗させないこと
です。
覚えたくても忘れちゃう、ちゃんと聞きたくてもぼんやりしちゃう、子どもにしてみたらそんな状況です。ここで、
「ちゃんと聞いてるの?」
「またボーッとしてるよ!」
「何度言ったらわかるの!」
「また忘れたの!」
と畳み掛けてしまったら「私ってすぐ忘れちゃう。ダメな子」と、感じてしまい、あっという間に自己評価が下がってしまいます。
だからこそ、子どもが聞き取りやすい環境を作ることが大切になってきます。
耳からの情報だけだと抜けやすいので、
・メモ(目からの情報)などを併用する
・1回に出す指示を一つにする
などの関わり方の工夫で、失敗につながらない配慮を行いましょう。

小学校生活の不安を減らすには、先生との連携も必須!

不注意・注意散漫タイプのお子さんのために今からしてほしいこと。
それはまずは、「この子はそこが苦手なんだ」と認めてあげることです。その上で、
・どのくらいの指示の長さならちゃんと聞けるのかな?
・どんなときだと注意散漫になりやすいのかな?
・どんな工夫をしてあげると忘れにくいのかな?
ということを実験しながら見極めてあげてください。
そして、4月にある家庭訪問や個人面談などで、先生に我が子の特性をしっかり説明できるようにしましょう。
「こんな風にちょっと配慮してもらえますか?」と一言言えるかどうかが大事です。
学校の先生は、一度に20人、30人を相手にするので、こう言った分かりにくい苦手さに気づいてもらえないことが多いからです。
家庭訪問までに我が子のトリセツをしっかり作って、必要なときに、必要な人に説明できること。
これが、発達障害・ADHD傾向のお子さんが小学校生活を不安なく送れる事前準備です。
小学校生活をスムーズに過ごせるように、今からしっかり準備しておきましょう!
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執筆者:石澤かずこ
(お母さんの小学校★ななほし代表)
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