外ではいい子なのに、家では思い通りにいかないと泣き叫ぶ…わがままな4歳児に困っていませんか。「外ではできるんだから家でもやってよ!」とママも思ってしまいますよね。理由に迫りながら、家でだけわがままな状態から抜け出す対応をお伝えします。 |
外ではいい子なのに、家でわがままな4歳児。…これって、いいの?
あれはいやだ、こうしたい!とわがまま放題の4歳児。
おまけに、なかなか切り替えができなくて、自分の思い通りにいくまで泣き叫ぶ…。
こんなことが家の中のあらゆる場面で起こると、お母さんも疲弊してしまい、どう対応していいかわからなくなってしまいますよね。
じゃあ、園など、家の外ではどんな様子なんだろう?同じような場面でどう対応されているのだろう?と聞いてみると…
「園ではとっても頑張り屋さんで、みんなのお手本ですよ。」
「〇〇くんが泣き叫んでいるところなんて想像できない!」
外ではいい子にしていることには安心しつつも、この「家でだけわがまま」な状態って子どもの発達的に良いのだろうか?と悩んでしまいますよね。
そしてこの状態は、子どもの癇癪やわがままへの対応に追われ、ただでさえ疲れているママを「親である私の対応が悪いからかもしれない…。」とさらに追い詰めてしまう、とてもつらい状態なのです。
一刻も早く抜け出したいですよね。
どうして家でだけわがままなの?
私には4歳で保育園年中の息子がいますが、保育園で様子を聞いてもいつも「ニコニコして明るいですし、頑張っていますよ」と言っていただけるし、家でも素直にいうことを聞くような、どちらかというと手のかからない子でした。
そんな息子が、4歳半ごろから「外ではいい子なのに、家ではわがまま」の状態に。
・毎日あらゆる場面で起こるわがままや癇癪に振り回される状態から抜け出したい
・家でだけわがままなのは「良い状態」なのだろうか?
この2つの思いで、まずは原因を探ってみることにしました。
4歳の発達:キーワードは「葛藤」
4歳児は、自分の気持ちだけでなく相手の気持ちもわかり始める時期。
「もっとこのボールで遊びたい!」と自分の気持ちを通そうとする気持ちと、「お友達も遊びたがっている…」という相手の気持ちの間で葛藤しています。
素直に「どうぞ」と貸すことができることもありますが、まだ自制心は育ちきっていませんから「わかっているけれどできない、どうしたらいいの?」とパニックを起こしたり泣いて怒ったりするのです。
泣いて怒って自己主張している部分だけに注目すると「わがまま」に見えてしまいますが、実は、子ども自身も思い通りにいかない場面に遭遇して混乱しています。
このように自分の感情を吐き出し、自分の気持ちを立て直していく経験をすることで、自制心の育ちをしていくのが、4歳の発達の特徴です。
4歳児は、自分の思いと自制心を持たなければいけないという思いのあいだで、葛藤している時期=泣いて癇癪を起こしてわがまま言うのも、成長のために必要なこと
と発達の知識を持つことで、「うちの子だけかもしれない」「私の関わり方が悪いのかもしれない」と不安に思う必要がなくなります。
子どもなりに、外では精一杯頑張っている
先ほどお伝えしたように、4歳児なりに、お友達や先生の気持ちや「外ではこうしなければならない」とルールがわかってきますから、
外の世界では、それなりに緊張しながら「よそ行き」の自分で頑張っているのです。
例えば、私の息子は偏食がひどく、給食の時間が苦痛に感じるようなのですが、「食べたくないけれど、食べなければいけないし…」と葛藤しながら、毎日1時間必ずやってくる給食の時間を過ごしているのです。
大人でも、苦痛な時間が毎日必ず1時間あって、我慢しているとしたら、どうでしょう?
私だったら、「外で頑張っているんだから、家でくらい自分の好きにしたい」と思います。
外で頑張っている分、家で感情を爆発させて「自分のやりたいようにやりたい!」と主張するのも、当たり前のことなのかもしれませんね。
「家でわがまま」の状態は良くないの?
ここで考えていきたいのは、「家でわがまま」はいけないことなのか?ということです。
外ではとても良い子なのに、子どもが家でだけ癇癪を起こしたりわがままばかりという状態の場合、「外ではちゃんとできるんだからきっと、私が甘やかしすぎたせいでわがままを言うのだろう…」とママは自分を責めがちです。
しかし、4歳児の発達段階を考えると、「外ではいい子なのに家でわがまま」な状態はむしろ、ママが普段から良い対応をしているからこそ起こっていると私は考えます。
なぜなら、家で、ママに、ちゃんとSOSを出せているということだから。
先ほどもお話しした通り、4歳児は、心の葛藤を、泣いて怒るなど感情を爆発させることで表します。
そして、その爆発させた感情を周りから受け止めてもらい、自分でなんとかしていく経験を積むことで自制心を育てていきます。
そう考えてみると、外でも家でも感情を爆発させない「いい子」で居続けるより、4歳の時期にきちんと感情を吐き出せる場があることは、子どもの成長にとってとても良いことです。
また、これから先、子どもたちは成長していく中で、つらい出来事にもたくさん出会っていきます。
もしそんなとき、つらい思いを誰にも言えなかったら。SOSを出せなかったら。
二次的な問題に発展してしまいますよね。
私は、家でもいい子だけど実は言えないだけで、子どもが1人で苦しい思いをしている…という状態より、形はどうあれ「ママ、いま僕こんなことが苦しいんだ」とSOSを出せる状態のほうが、ずっと良いと思うのです。
だからこそ、かつての私のように「私の対応が悪かったのかもしれない…」と悩んでいるママ、自分を責めないでほしいです。
むしろ「この子がわがままでいられるのは、私の育て方が成功しているからなのね!」という考え方にアップデートしていってくださいね。
こちらもおすすめ▼
わがまま・癇癪を減らす!家でのママの対応
4歳の「外ではいい子だけど、家でわがまま」は良い状態!ということはわかったけれど…家で癇癪やわがままにつきあうママは大変ですよね。
そこで、子どものわがままを受け止めながらも、癇癪を減らしていく対応をお伝えします。
◆言いがちだけど…NGなワードはこれ!
それはズバリ、「保育園ではできているんでしょう?家でも同じだよ!」
だけど、ママがこう言いたくなっちゃう気持ち…すっごくわかりますし、私も実際なんども言ってしまいました。できるんだから、いつだってやってほしい!のがママとしての思いですよね。
ですがこれは、子どもの気持ちの行き場がなくなってしまう言葉です。
外で頑張っている子どもがほっと休める場面がなくなってしまいますし、いずれ、家でもSOSを出せない状態に繋がってしまいます。
家でわがままになったな…と感じたら、「子どもからのSOSかもしれない」と捉えることにとどめて、「家でだってできるでしょう」は言わないように気をつけましょう。
◆「わがまま」の中から褒めポイントを見つけよう!
わがままが増えると、大人側はつい「どうせまたわがまま言うんでしょ」と、子どもの言動をすべて「ダメ」と否定してしまいがちになりませんか?
脳は、否定の情報はシャットダウンして受け付けません。ましてや普段から否定的な注目が増えている場合、子どもの聞く耳も閉じてしまっています。
ですから、子どもが何を言ってもまず、「そっかーーー!!」と答えるのがおすすめ。
「そっかー」は、否定も肯定もせずにまず受け止める言葉です。
そして、ママも「まずはこう答える!」と決めておくことで、反射的に否定しなくて済むのです。
そして、「そっかーー」と言っているあいだにぜひ、子どものわがままの中から褒めポイントを見つけてください。
えっ?わがまま言っているんだから、褒めポイントなんてありません!と思うかもしれませんが、必ず褒めるポイントはあります!
泣きながらわがままを言ったら「(内容はともかく)自分の気持ちが言えたんだね!」
「おかずがあるけど、ごはんにふりかけをかけて食べたい!」と言ったら「全部食べよう!って気持ちなんだね!」
泣き叫ぶのではなく優しくわがまま言ったら「いまの言い方、ママ大好き!かっこいい!」
といった感じ。
わがままの中にも褒めポイントを見つけられるようになると、子どもへの否定が減り脳が育ちますし、ママもイライラしなくなるというおまけもついてきます^^
わがままばかりだった4歳の息子に「家でもできるでしょ」を言わずに、褒めポイントを探して褒める!を繰り返したところ…
まだまだ葛藤は続いているようで「俺は〇〇したい!」と主張はしますが、以前より切り替えが早くなり、「〇〇でもいいか」とこちらの案にも妥協するようになり、感情を爆発させる頻度もかなり減りましたよ。
ぜひ、あなたもやってみてくださいね。
執筆者:永崎りん
子どもが3歳になったら「感情の脳」を育てよう!その方法はこちらの書籍でご紹介しています▼▼▼
▼「お母さんの小学校」創始者石澤かずこのメールマガジンで学びませんか?