「私も大人の発達障害かもしれない」と親子での悩みを話すママは多いですが、実は、みんなでこぼこがあって当たり前。大事なのは、ADHDや自閉症・アスペルガー…の診断を受けることではなく、自分の特性を認めて上手に付き合う生き方を見つけることです。 |
「実は自分も発達障害っぽいかも…」と思っているお母さんは意外と多いです
個別相談でお話を伺っていると「実は私も子どもと同じような特性があって…」と打ち明けてくださるお母さんがとても多いです。
発達障害と診断を受けたお子さんのお母さんや、グレーゾーンという子のお母さんから、「私もこの子と同じところがある。それって私も大人の発達障害ってことでしょうか」といった質問を受けます。
お子さんのことで相談されている中で、自分の特性についても気づき、親子で発達障害…?と心配される方が多くいるのです。
しかしながら、障害か障害じゃないかという部分にこだわり続けても、何も変わらないのではないかと私は思います。
発達障害の診断の有無にかかわらず、私もパステル、あなたもパステル
私は、みんなグレー(パステル)であるという持論があります。私も、あなたも、みんなでこぼこしているんです。
その程度が強くなって、本人も周りも困り始め、お医者さんで診断がつけられたとき、「発達障害」となるだけ。みんな自分の特性と上手に付き合う方法を見つけながら生きているのだと思うのです。
実は、私自身はかなり濃いめの注意欠陥多動性障害(ADHD)と自閉症スペクトラム(ASD)の入り混じったパステルゾーンだと自己分析しています。
若いときは、こだわりが強く、「こうでなくてはダメ!」と自他共に厳しい、アスペルガー要素が強めの特性でした。
30代も半ばを過ぎると、細かいことが気にならなくなってきた反面、不注意、衝動性というADHD特性が強くなってきている自覚があります。
お財布を忘れるなんてしょっちゅう。おしゃべりに夢中になりながら歩いていたら、エレベーターを素通りしてしまうこともあります。
もしかしたら、あなたも「うっかり忘れちゃった」という経験があるかもしれませんね。
大切なのは大人の発達障害かを悩むより、自分の力を発揮できる場所をみつけることです
私自身、ときに人の名前を間違えてしまったり、行き先を間違って覚えてしまうこともあります。大切なのは、自分のでこぼこの特性を、特性と認め、理解することだと思っています。
また、特性とうまく折り合いをつける方法を考えながら、自分の力を発揮できる場所を見つけること。そして、必要があれば人に頼ることも大切であると考えています。
苦手なことに対して、どこを助けてもらえればうまくいくのかをきちんと人に伝えることができれば、社会の中でうまくやっていくことはできるのではないでしょうか。
私たちの生きる現代は、大人になり、職場でうまくいかず、うつ病に苦しみ、ようやく自分の発達障害の特性に気づく方がとてもたくさんおられます。
大人の発達障害・グレーゾーンの方の手記を読んでいると、幼少期に怒られ続けた記憶や、親に理解してもらえずに葛藤し続けている人が本当に多いのです。
大人になってから、自分の苦手なところと向き合うこともかなりの精神的なエネルギーを使います。 発達障害の特性がある子どもたちが大人になってから苦しまないようにするためには、幼児期からの関わり方が大切なのです。
小さなときから一番近くにいる私たち親が子どものでこぼこの特性をしっかりと理解すること。
それを言語化して、あなたはこうするとうまくいくのよと伝えてあげることができたなら、大人になり社会で適応できる可能性を増やしてあげられると私は考えています。
幼児期こそ、わが子が大人になり一人で自立して生きていく姿を見通しながら接してあげることが大切なのです。
発達障害の特性があるわが子には、時に周りの理解と助けが必要。だけど、ものすごく力を発揮できる部分がある。そう思うことが、お子さんの成長を加速させていくことができるのです。
執筆者:石澤かずこ
(お母さんの小学校★ななほし代表)
(お母さんの小学校★ななほし代表)
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