幼児が「幼稚園に行きたくない!」と言ってきたら、行かせるほうがいいの?それとも休ませる?と判断に困っているお母さんへ。まずは子どもに共感しましょう。それから思い切って休ませてもよいときがあることも知っていただきたいです! |
「幼稚園に行きたくない!」と言われ、心配、困惑、イライラ…していませんか?
幼稚園、保育園に通う子どもに突然、「行きたくない!」と言われたら、どのように対応していますか?
どうしよう、何かあったのかな?お友達と喧嘩?
これを言われると色々と心配ですよね。
幼稚園・保育園は家庭では経験できないことが盛りだくさん。
幼児の初めての社会デビューの場として、集団の中に身を置き、先生、お友達と関わりながら様々なことを学び、感じることができる場所へ、子どもの成長を願う親ならばできれば行ってほしいと思うでしょう。
また、幼稚園・保育園は病気のとき以外は行くもの!という考えの方や、一度休ませたら休み癖がつくんじゃないかと心配する方も多いと思います。
そして、準備をせず動かない子どもにイライラしてしまったり、時間が気になって焦ったり。
忙しい朝の時間帯に言われると本当に困ってしまいます。
お母さんにだって都合があるというのが本音ではないでしょうか。
お仕事があるお母さんならばなおさらです。
登園しぶりをしていた我が家の息子の場合
どちらが息子にとって良いのかわからず、イライラが募り親子関係が悪化
以前の私は、体調不良以外は基本的に休まないものという考えでしたので、嫌がっても何とか説得や励ましをして登園させるようにしていました。
けれども、息子の状態はなかなかよくならず、泣く息子を半ば無理やり幼稚園に置いていくような日もありました。
本当に行かせるほうがいいのか、それとも休ませたほうがいいのか分からず、悩む日々。
毎日判断がつかずブレている自分が嫌になり、それはそのままイライラに直結。
もれなくイライラは息子へも伝染し、いつもイライラしているお母さんからなんて何か言われても聞きたくない~、また怒ってる~、と子どもの耳も気持ちもシャットダウン。
親子関係も上手くいかないことも出てきました。
お母さんが対応にブレがあると、お母さん自身も状況に振り回されて疲れてしまいます。
また、行きたくない幼児を何とか行かせようとして、問題解決がされないままになり、子どもは納得がいかず、お母さんはイライラが続き、親子関係が徐々に悪化してしまうことも。
息子は幼稚園に行かせるほうがいいと判断しました
登園しぶりが始まった頃、行かせるのか休ませるのか、対応に悩みに悩み、誰かに答えを教えて欲しい!と、当時通っていた療育先の先生に相談をさせていただきました。
制度は各自治体により様々と思いますが、保育所等訪問支援という制度を利用して、療育の先生が幼稚園を訪問し、第三者的な目線で息子の園生活の様子を見ていただきました。
すると、朝のイヤイヤ時間を過ぎたあとは、楽しくお友達とやり取りをしていたり、難しいことがあるとお友達が助けてくれる場面があったりと、園生活自体に困難を抱えている様子はなかったという報告をいただけました。
また、お迎えに行くとスッキリした表情をしていたり、園であった出来事を話してくれることも。
息子は幼稚園自体が嫌ではなく、楽しいこともあるし、お友達との関わりも持ちたい様子であったので、集団の中で刺激を受ける方が息子にとって良いことが多いと判断しました。
そこで、完全にお休みをさせることでお友達との触れ合いなどの機会を少なくしてしまうよりも、遅刻、早退をしてもよいので行けるときは行こう!という方向で対応していくことにしました。
息子の場合はたまたま療育の先生に様子を見ていただけましたが、先生から普段の様子を聞いたり、自分で直接様子を見させてもらうことも、子どもの状態を把握することに繋がると思います。
「幼稚園に行きたくない!」にどのように対応してきたのかは、こちらを併せて読んでくださいね▼
行かせる?休ませる?まずは子どもの状態をよく観察し、共感してから判断しましょう
では、実際に「行きたくない!」と登園しぶりをした際、まずどのように対応し、行かせるか休ませるのか判断をするのか、次にお話ししていきますね。
まずは共感しましょう!
「行きたくない!」と言われたら、まずは子どもの言うことをそのまま「うんうん」「そうなんだね」「そう思ってるんだね」と共感しましょう。
ここで、「そんなこと言わないの!」や「それは違うんじゃない?」など、否定やジャッジの言葉を出すと、子どもは「ママは分かってくれない」と、より反発してしまいます。
共感するだけでも、案外すんなりと登園できることもありますし、共感から次の会話をスタートさせることで、お母さんが思ってもみなかった行きたくない理由を話してくれることもあります。
行かせてもよいと判断できる場合
これは実際に我が家で過去に対応してきた例です。
少しでも判断の参考になれば嬉しいです。
●朝お母さんと離れたくないがために、グズグズ言っている(離れたあとはあっけらかんとしている)。
→しっかり気持ちを受け止め、スキンシップで安心感を持たせてあげることで、落ち着きすんなり行けることも。
●本当は行く気があるけれど、お母さんに背中を押してもらいたい。
→こちらもしっかりと気持ちを受け止め、「大丈夫だよ、〇時にお迎えに行くね/待ってるね」などと勇気づけ、安心させてあげる。
●その日の園の予定の中にどうしても嫌なこと(例えば給食のメニュー、工作や運動会の練習など)があるけれど、それ以外は大丈夫。
→嫌なことにどのように対応するかを考える、ときに遅刻、早退、先生に対応をお願いするなど。
●お友達に嫌なことを言われたなどの小さな友達トラブル。(単発のできごと)
→話しを聞くだけで落ち着くこともある。
ときに「こうやって言ったら次は分かってくれるかもね」などアドバイスをしてあげる。
●実は幼稚園は関係なく、そのあとの習い事に行きたくないなどの別の理由がある。
→その理由について対応する。
まだ上手く自分の想いを言葉にできない幼児であれば、「そっか、分からないんだね」とまずは受け止め、お母さんが「こんなことが気になるかな?」などと気持ちを代弁してあげることで落ち着くこともおおいにあります。
お休みしたほうがよいと判断できる場合
では、お休みさせたほうがいいときとは…?
●疲れていて休息が必要だと思えるとき
●腹痛や頭痛など身体に何らかの症状が出ているとき
●園生活自体に困難を覚えていて、園にいること自体がストレスになっている場合
(感覚過敏、聴覚過敏で教室にいることが苦痛、カリキュラムが難しく誰もサポートしてくれない状態で“分からない”が続いているなど)
●いじめやからかいなどの明らかな理由があり、その問題が続いていて解決していない場合
などがあげられるのではないでしょうか。
また、今日はお休みにして家族で思いっきり遊んじゃおう!とお母さんが能動的にお休みにしてしまうのだって、子どもがノリノリで楽しめちゃうのならそんな日があってもいいと思います。
園にいるだけでストレス、苦痛を感じてまで行かせる必要があるでしょうか?
ストレスをずっと感じていては、脳が育つ環境とは言えません。
また、嫌々ながら毎日登園するよりも、思い切って一日お休みして元気を充電したら、外へ出る意欲が湧きすんなり登園できるということもあります。
私自身、子どもの発達を学んだ今は、子どもの脳が発達するのはどちらかという判断を自分でできるようになりましたので、行かせる、お休みするの判断が楽になりました。
息子の過去の激しい登園しぶりは卒業しましたが、その後も体調不良ではないものの、行きたくないと言う日はありました。
そのときは、息子の様子を観察し話を聞いた上で、今日はお休みしたほうがいいなと判断したときには、実際に何日か休ませたこともあります。
結果は、ほとんどが一日お休みしただけで気持ちと身体のパワーチャージをし、次の日はすんなり登園できています。
子どもの心を壊してまで、やらせなくてはいけないことなんてないんです!
まずは子どもに共感して、様子をじっくりと観察し、思い切ってお休みさせるのも一つの選択肢であることを、ぜひお母さんに知っていただきたいと思います。
執筆者:菅 美結
▼そもそも子どものことが分からない、子どもの観察ってどうしたらいいの?会話自体が続かないなど、お困りの方はぜひ発達を学んでくださいね!