もともと書字が苦手だったけれど、書けていた文字も書けなくなって癇癪が頻発するようになった…それは、自信喪失が行動に表れた子どもからの「助けて」のサインかもしれません。大丈夫!常識を吹っ飛ばしたママの対応で解決できますよ! |
宿題を前に体が固まり、鉛筆が持てなくなった息子
我が家の息子は小学4年生です。
こだわりが強いところがあり、ルーティンに沿って行動することが多いです。
3年生のある日、いつもの通り、学校から帰ってきてすぐ、机に漢字ノートを広げ、宿題に取り組もうとしていました。
しかし、ノートを前に、両手が体のサイドにくっついた状態で、そのまま固まってしまったんです。
どうしたのかな?と少し離れたところから見守っていましたが、息子は固まったまま動きません。
これはどうしたものかと考えているうちに、「イライラするッ」と理由のわからない癇癪が始まってしまいました。
まずは癇癪をなくすところから!こちらの書籍を参考にしてください▼
“書字が苦手”→“書けない”へ激化した理由
文字が書けなくなった理由は、ほんの少し、思い当たることがありました。
もともと書字が苦手だった息子。
1年生の頃は、なんとか自分で漢字の宿題をこなしていましたが、2年生になり、だんだん漢字の画数が多くなるにつれ、宿題に時間がかかるようになっていきました。
算数も国語も、宿題の量が多く、「よくがんばっているな」と感心していましたが、ついにキャパオーバーしたと感じ、担任の先生に何度か量を減らしてほしいと伝えたところ、極端に量が少なくなりました。
内容を見てみると、毎日毎日、同じ漢字が宿題に出されています。
完璧主義の一面もある息子。
心底、「きれいな文字を書きたい」と願っています。
何度も何度も書き直し、きれいな文字を書こうとしますが、手本どおりにきれいな文字を書けません。
それでもなんとか仕上げて、消しゴムの跡で真っ黒、グシャグシャになったノートを提出していました。
先生から「書き直し。できるまで、がんばろう」と添削され、また、全く同じ漢字の宿題が…
少しずつ自信を無くしていった息子、ついに、プツンと糸が切れてしまったのです。
息子は「宿題をしなければならない」と分かっている。でも手が動かない。
息をすることも辛くなり、パニックを起こすようになっていきました。
ここで、母の私もプッツンしたのです。
目の前の困りごとに常識を逸脱した非常識で挑むことにしました。
書けないならば、書かなければいい。
本人が自ら“書きたい”自信が回復するまで、無理強いしないと決めました。
GW明けまでに“書けない”悩みを吹き飛ばせ!
新学期が始まりました。
学校の先生も心機一転、学級運営に精を出している今だから、ママのチャレンジに賛同してもらいやすい!
ちょうど、家庭訪問や個人面談など、ママの思いを直接、担任の先生に話す機会もありますよね。
「家庭でこういうふうに取り組みたい」と穏やか、かつ、明確に伝え、先生との絆を深めましょう。
4月に先生とガッチリ手を組んでおくと、1年間、世話なしですよ!
できれば、過去の成功した事例を話したうえで、今後の取組みについて話すと、先生の協力を得やすいです。
「昨年度、こういうふうに家庭で取り組んだら、うまくいきました。
今年度はこういうふうに取り組みたいと考えています」
4月は、子どもの帰宅時間が早く、親子時間もたっぷり。
まもなく、GWも始まります。
学校を気にせずに、おうちで思い切った対応にチャレンジできるチャンスです!
喪失した自己効力感を復活させた対応策
息子が文字を書けなくなったのは、『自分の行動(努力)には、何の意味もない』と自信を喪失してしまったから。
ならば、息子に自己効力感をつけさせれば、また文字を書けるようになるはず!
自己効力感とは、自分の行動には効果があるという期待感や自信のことです。
詳しくはこちらの記事で解説しています▼
息子の自信を復活させるため、苦手なことは一切させず、できていることを徹底的に褒めました。
苦手なことは一切しない
宿題を前にして「答えを言葉で教えてね。お母さんが代書します」と息子に口頭で答えるように促し、母の私が鉛筆を持って答えを書くようにしました。
算数のプリントは、息子が答える数字を、目の前で、母が書き込んでいく。
漢字ノートは「読み」一本に絞り、息子が答えたことを、母が書き込んでいく。
この調子で、息子には一切、鉛筆を持たせませんでした。
学校の先生にも、前もって息子の家での様子を伝え、承諾をもらっておきました。
できていることを徹底的に褒める
算数の問題が3問解けたら「もう、3問も解けちゃったね」とグッジョブサインを出す
漢字の読みがスラスラ言えたら「正解がスラスラ言えてるね」とオッケーサインを出す
小さな“できているね”を丁寧に一つ一つ拾い上げ、少しオーバーリアクション気味に「ココ、できているね」と言葉とジェスチャーで伝え、徹底的に褒めました。
さらに、勉強のみならず、日常生活においても、できていないことは全てスルーし、できていることを丁寧に褒め続けました。
朝寝坊したことはスルーして「自分で起きれたね!」ハイタッチ
パジャマをモタモタ脱ぐ様子はスルーして「パジャマ、脱いでるんだね」オッケーサイン
ごはんをボロボロこぼしていることはスルーして「ごはん食べてるんだね」グッジョブサイン
2週間ちょっと過ぎた頃、息子が「今日は自分で書く」と発言。
自ら鉛筆を持ち、固まることなく、宿題に取り組めるようになりました。
イヤイヤ、義務で勉強するのではなく、“書く”ことを楽しめるように変わっていきました。
気づけば、日常生活も、自分でできることが少しずつ増えてきました。
“書けない→書ける”に取り組み、“褒め”を徹底したことで、自立も進み、成長を感じています。
ピンチを別の角度から見て、常識を非常識に変えると、チャンスが見えてくるかもしれませんよ!
執筆者:松木なおこ
▼毎日、子どもの困りごとへの対応を学べるメールマガジンが届きます。ご登録はこちらから