小学生になったけれど、読めないほど字が汚い…。この理由は、脳のあるエリアの発達がゆっくりだからかもしれません。ここが育つと、がんばらなくても丁寧な字が書けるようになる可能性があるんです!日常生活に隠れたがんばらないトレーニングを紹介します。 |
字が汚いのは何のせい?
現在小学校3年生の息子は、とにかく字が汚い!
彼は、手先の不器用さに加え、ワーキングメモリーの弱さがとても目立つタイプです。
覚えたての字をマスからはみ出ないように書く、トメ・ハネ・ハライを意識して書くなど、集中力を持続させる作業がとても難しい様子でした。
学びを通して息子の特性が分かってきた私は、きれいな字なんて書けなくても読めたらいいでしょ!とあまり意識せずに見守ってきました。
ワーキングメモリーが低いと字がきれいに書けない!?▼▼▼
そんなある日、宿題に取り組む息子をふと見た瞬間、とても驚きました。
なぜかと言うと、今までにないくらい丁寧な字を書いていたからです。
私、本当に何もしてません!
どうしてこのようなことができるようになったのか、振り返ってみました。
すると、分かっていたつもりだった息子に、まだ見えていない点があったことに気がつきました。
字を書く=運動!~脳の運動系エリア~
息子は急に止まれない
では、普段の息子の様子を少しご紹介します。
彼が字を書く様子を観察していると、とにかく雑なのです!手元が、さささーっと流れるような動きをします。
結果、仕上がった字がとても汚い。
もう少し深く追究してみると、息子は「トメ・ハネ・ハライ」の「トメ」ができないことに気がつきました。
「止まれ!」と言っても、止まれないのです。息子が丁寧な字を書けないのはここに原因があるように思えました。
実は、脳の働きの中には「止まっている状態をキープする」という運動があります。なんだか矛盾しているように感じますが、止まると言う名の運動があるのです。
また、似たような種類の運動に「そーっと動く」というものもあります。
この「止まる」や「そーっと動く」は、衝動性の高い子どもだと苦手な運動になることが多いですよね。息子は、まさにこのタイプでした。
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脳の運動系エリアは樹の幹のようなところ
字を書くという動作は、脳の中の働きでいうと、運動系エリアと視覚系エリアのネットワークが重要になります。
このうち特に運動系エリアは、脳のエリアの中でも樹の幹のようなところ。
そこを中心として話す、見る、考える…という様々なエリアに枝分かれしていくと言われています。
つまり、ここの成長具合が視覚系を含む他のあらゆる脳のエリアの発達に影響するということです!
さらに、この運動系エリアについて深掘りしてみましょう。
「器用さ」というものは、体の中心をスタートに、徐々に中心から遠い部分に向かって発達していくと言われています。
つまり、肩→肘→手首→指先という順番で、上手に動かせるようになります。
赤ちゃんのころ、いきなり上手におもちゃを握ったりお菓子をつまんだりできないですよね。
肩や肘をぶんぶん振り回すような動きからスタートして、少しずつ手先が器用になっていくのです。
手先の不器用さが気になる場合、じゃあどこをトレーニングすればいいか、察しの良いお母さんはお気づきかもしれませんね。
あなたならどうする?字をきれいに書かせたいとき
「もっと丁寧に書こう」と言ってない?
子どもの字をきれいに書かせたいと思った場合、通常であればお手本を見て丁寧に書くよう指導しますよね。
たとえば「もっと丁寧に書こう」「線からはみ出ているよ」「そんな字じゃ読めないよ」と注意すること、ありませんか?
息子の例だと、がんばって仕上げた宿題の漢字ドリルが真っ赤に添削されることが少なくありませんでした。
線が曲がっているとかマスの左に寄っているなどと指摘され、さらには漢字の練習なのに前後のひらがなにお直しが入るという悲惨な状態でした。
これでは、自信もやる気もなくなってしまいます。ダメ出しだらけだと、誰だってがんばれないですよね。
やっぱり息子は、このやり方で字をきれいに書けるようになりませんでした。
声かけでうまくいかないシンプルなワケは?
私も、ただ叱る・注意するではいけないと分かっていたので、いろいろな声かけを試しました。
“書いた字の中で一番きれいに書けた字を褒める”という裏技に加え、
「読んでくれる人の気持ちになって書こう!」「君だったらもっときれいな字が書ける!」などと試行錯誤し声をかけてきました。
しかし、残念ながら息子にそれらの言葉が届くことはありませんでした。
なぜなら、彼がきれいな字を書かない理由は、「書けるけど書かない」のではなく「書けないから書かない」だったから。
彼に効果があったのは、がんばる気持ちを引き出す声かけうんぬん…ではなく、とてもシンプルなことだったのです。
もちろん、声かけが届くタイプの子どももたくさんいるんですよ♪
誰でも用か、わが子用か。
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字が汚い小学生が変わったがんばらないトレーニング
息子が急に丁寧な字を書いた理由
それでは、どのようにして「書けない」が「書ける」に進化したのでしょうか?
トレーニングなんて何もしていないように感じているのに、不思議ですよね。ヒントは日常生活の中に隠れていました。
ちょうど1ヶ月ほど前から、放課後は学童をお休みして帰宅することが増えました。
帰宅して何をするかと言うと、近所の子どもたちと思いっきり体を動かして外で遊ぶこと。
自転車を乗り回したり、鬼ごっこをしたり、水遊びをしたり。
制限の多い空間の中でこまごまと過ごすのではなく、自然の中で全身を使って、にぎやかにお友達と遊ぶようになりました。
また、休日に公園へ連れていくと新しい発見もありました。
少し前まで、腕の使い方や力の入れ方がわからなくて遊べなかったターザンロープやウォールクライミングのような遊具。
それが、コツをつかんだようで急に遊べるようになっていました。
ちょうど同時期に、「僕もやりたい」と言ってキッチンに立つことが増えました。
汁物をお皿によそう、使ったお皿を洗う、水筒にお茶をいれるなどです。
キッチンでの作業って、手首を使って「そーっと動く」という動きが多いんです。
これらの作業はお手伝いの要素もあり、上手に声をかけてやることでとても良いトレーニングになります!
息子が最近ハマっているのが、任天堂switchの「スーパーマリオオデッセイ」というゲーム。
イメージは、本当にオーソドックスなマリオの進化版のような感じで、ゲームの舞台が3Dなんです!
マリオらしく、絶妙なタイミングでダッシュしないといけなかったり、絶妙なポジショニングでジャンプしないといけなかったりします。
さらに最近のゲーム機はボタンがいろんなところにあって、こっちのボタンを操作しながらこっちを長押しするなど、かなり複雑に指先を使うことがわかりました。
外で遊べば字が変わる!
外遊びに比べ、キッチンでの作業やテレビゲームはより手先を使うことが中心の運動です。
最初は盛大にお茶をあふれさせたり、クリボーにやられてなかなか前に進めない…ということもありました。
それが、外で遊ぶ機会が格段と増えたころから、ピタッと止まるという運動、そーっと動くという運動を含む細かな作業が上手にできるようになったように感じました。
その結果、止まろうと思ったときに止まることができる、ゆっくり書こうと思ったらゆっくり書ける、という書字へのいい影響が出てきたのではないかと推測しています。
字をきれいに書かせたいなら、まず外で思いっきり遊ばせてみる!ぜひ、試してみてくださいね。
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執筆者:大塚 ひかり
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