わが子の「行きたくない…」にママができること【ななほし広場・行きしぶり座談会】

こんにちは!ななほし広場編集部です。

2022年9月、【行きしぶり座談会】を開催しました。

その様子をご紹介しますね!

【行きしぶり】に関する座談会を開催しました

毎朝、子どもがなかなか起きてこない
起きてきたと思ったら「幼稚園に行きたくない…」「学校に行きたくない…」と泣いているー。
ただでさえ朝は忙しいのに、行かせる?休ませる?わたしも仕事があるのに、もうどうしたらいいの?と悩んでいるママたち。

そんなママたちが集まって、お互いの悩みを聞きながら、「こんなことを試したよ」「こういう気持ちでいると楽になりました」と「一人じゃない、仲間がいるよ」と知ってもらえたら、との想いから、

今回は、行きしぶりについて、お母さんの小学校★ななほしのママたちと座談会を開催しました。

行きしぶりが増える2学期、悩みを共感し合うとともに、こうやって工夫してるよ!こんな良さがあるよ!と希望を持てる内容もたくさんお話ししてくださいましたよ。

ぜひ、座談会に参加したつもりで読み進めてくださいね!

座談会に参加したメンバー紹介

ななほし広場編集部(以下、編集部):まずは、ご参加くださった3名のママと、編集部の2名をご紹介します!

(Aさん)
・ひとりっこ(年中の男の子)のママ
・年中5歳の男の子:ADHD・ASD混合タイプ。
癇癪、こだわり強め、切替え苦手。
1歳から保育園に通っているが、登園しぶりは年少から。
最近はお着替えして登園できるようになったが、同じ組のみんなとお部屋で合流するまでに「家に帰る」と言い出すことも。
登園しぶりは、5~6月(GW明け)、9月(季節の変わり目、運動会の練習)、雨の日が多い。

(Sさん)
・2人兄弟(小3男の子・年長男の子)のママ
・小3の長男くん:ADHD・ASD混合タイプ。
年中で行きしぶりが始まり、翌年の年長では担任の先生が厳しく、無理をさせてしまい、小学校に入ってからは、毎日のように泣きながら付き添い登校していた。
2年生になってから脳の学びを始め、ようやく長男に寄り添えるように。
今は、校門まで付き添い登校はしているが、泣いたり、行きたくないとは言わずに割と元気に行けている。
・年長の次男くん:定型発達。

(Wさん)
・2人兄弟(小1男の子・年中男の子)のママ
・小1の長男くん:診断無し、ADHD/ASD傾向がある。
幼稚園時期に対策をしていたためか、現在はADHDっぽさはほとんどなし。
・年中の次男くん:定型発達。

(編集部ママS)
・ひとりっこ(5歳年長男の子)のママ
・診断なしだけれど、好奇心旺盛でADHD・HSCの傾向あり。年少の後半からお母さんの小学校で学ぶ。
年中で行きしぶり、お休みと早退を繰り返し、療育がスタート。
現在は楽しく通っている。

(編集部ママR)
・3人きょうだい(小1・年中・乳児)のママ
・小1の長女さん:ADHD不注意全開でHSC傾向あり。毎年年度初めは行きしぶりがあるが、環境に慣れると行けるようになる。
・年長の長男くん:定型発達。繊細なところがあり、「行きたくない」ということもあるが、行ってしまえば楽しんでいる。

(編集部ママY)
・ひとりっこ(中1女子)のママ
・小4のとき、学級崩壊が原因で行きしぶり、その後回復するも、小6の秋に担任の先生とのトラブルで行きしぶるようになる。
中1の4月は元気に登校していたが、5月からケガや友達関係のトラブルが原因で再び行きしぶるように。
6月に担任の先生から注意を受けたことがきっかけで完全に不登校になる。

トークテーマ①行きしぶりしたとき、どう対応していますか?

編集部:

最初は、「行きしぶりのときの対応」についてお聞きしたいと思います。

行きしぶったときにママはどう対応していますか?

お休みさせたときはお家でどう過ごしているのか、

そしてお家や学校以外に居場所はありますか?教えてください!

少しずつスモールステップで対応しています

ーー(Aさん)ーー

例えば、今朝もなんですが、行きしぶるときは起こしても布団から出てこないんです。
電気をつけると怒るため、仕方なくそのまま10分くらい放置。
その間にリビングで、大好きなテレビ番組の録画を再生して、音量大きくして待ちます。そして起きたところで抱っこしてリビングに連れてくる。こんな感じで少しずつスモールステップで起こしています。

そして「3回保育園に行ったらお休みだよ、お休みになったらどこか行こうね」と見通しを立てて話しています。
不安を解消してあげるのがポイントです。

また、休日は外出しますが、平日は出かけないと決めているため、お休みをしても自宅で過ごしています。

他の子が保育園に行っているのに、休んで外に遊びに出かけるのは心苦しいため、していません。

自宅から少し離れたところに遊びに行っています

ーー(Sさん)ーー

行きしぶった始めの頃は、無理やりに行かせていました。
お母さんの小学校で学んでから休ませてもいいんだと思えるようになって、息子が行きしぶるときには休ませるようになりました。

休んだときは、自宅から少し離れたところの公園などに遊びに行っています。
生活圏内から離れたところなら「代休と思われるかな」と思い、大丈夫かと(笑)

ーー(編集部S)ーー

非日常になりますもんね!思い切って気分転換も大事ですね。

ーー(Sさん)ーー

はい。ただ、この心境になるまでには、息子は休んでいるのに遊んで元気にしているため、息子は休むことに味を占めているのかもしれないと思っていました

ですが、息子も「行かなきゃいけないのに行けない」という葛藤を抱えているんだな…ということに気づいてからは、わたしも「大丈夫かな」と思えるようになりました。

ーー(Wさん)ーー

Sさんのお出かけのお話、うらやましいです。

本当なら長男がお休みしたときには遠出したいけれど、わたしの仕事が在宅(で仕事をしている)なので難しいです。
あと、次男の幼稚園のお迎えもあって、あまり自由がきかないんです。

身体を動かすことや運動は大事!

ーー(Wさん)ーー

長男は家でゲームをして好きなように過ごしています。エネルギーが貯まるならいいかと思って。だけどなかなか回復しないですね…。

もしかしたら、身体を動かしていないからかな?と思って、わたしのお昼休みを長くとって、一緒にコンビニまで歩いて散歩したり、公園で遊んだりしています。また、次男を幼稚園にお迎えに行くときにも一緒に行っています。

ーー(編集部Y)ーー

うちの娘も家でゲームばかりです。そのせいか、不登校になってから体力がものすごく落ちてしまいました。

すぐに腹痛を起こすし、気分もどんどん落ち込んでしまうので、家の中でも運動できるように、クッションタイプのトランポリンを買いました(笑)

ーー(編集部S)ーー

運動の脳が柱になる、ですね。

大人でも気持ちが滅入ったりするときに、身体を動かしてストレス解消しますもんね。ぜひ散歩してください!(笑)

積極的にコミュニケーションを取りたい!

ーー(Wさん)ーー

幼稚園までは親が一緒についていてお友だちと遊ぶことがほとんどでしたが、小学校からは友だち同士の関わりがメインになってくるので、親と話さなくなってきました。

このままでは息子がどう考えているか、何を感じているかが分からなくなりそうで、積極的にコミュニケーションを取ろうと思いました。

「元気にゲームしているな」と思っているだけではなくて、「行かないなら何する?」とか「今日はどうする?」と話しかけるようにして関わりを増やすようにしています。

ーー(Sさん)ーー

長男は小学生なので、コミュニケーションを取ることを意識しています。
ただ長男を優先することが多いので、まだ幼稚園児の次男ともしっかりお話ししないといけないなと思っています。

学校に行く・行かないを本人に任せています

ーー(Sさん)ーー

将来、自分との気持ちとの向き合い方を分かるようになって欲しいので、学校に行く・行かないは本人にまかせています

自分の気持ちと今の状況に対して、どう折り合いをつけるのか、自分が今どうしたいのかを決めることはとても大事なことなので、親の気持ちと違うこともあるので葛藤はありますが、息子の気持ちを尊重できるママでいたいと思っています。

例えば、今日は三連休明けなので、息子は「早帰りしたい」と言っていましたが、周りの目を気にし始めていて我慢するようになってきました。
そんなときには担任の先生と連携をとって、無理させないように対応しています。

甘やかしと言われることもあるけれど、わたしは寄り添って「逃げてもいいんだよ」と言ってあげたいです。

座談会の魅力は、発達でこぼこキッズを育てるママの「お悩み」「ホンネ」が聞けること!
他のテーマでも開催していますので、ぜひのぞいてみてくださいね▼

トークテーマ②ママの気持ち・ママのメンタルの保ち方

編集部:

行きしぶりが続くと、ママもだんだんしんどくなってきますよね…。

そんなとき、皆さんはどうやって気持ちを整えていますか?教えてください!

ーー(Aさん)ーー

自分のメンタルが崩壊すると子どもに当たってしまうので、自分の気持ちを保つのが難しいですね。
メンタルがしんどくなったら「自分のゴール」を意識するようにしています。

子どもが普通に学校に行っていたら分からなかったけれど、行きしぶりで息子とより関わるようになって親のわたしも成長させてくれる機会をくれたと思うようになりました。

「甘やかしているんじゃないか」と周りに言われたらグサッときます(笑)
ですが、子どもを信じてまかせています。

子どもには自分との向き合い方を自分で見つけてほしいです。そこを子育てのゴールにしたい

ーー(Wさん)ーー

メンタルは、上の子で悩んでいた時期に比べると今は楽になってきました。

わたしは人を優先するタイプで、実は夫にも遠慮していたんです。
夫に話すときに「これはきっとダメって言うだろうな」と自分が勝手に思い込んで「これはダメだよね」と夫が言う前に言っていたんです。

あるとき、それをやめて、「自分はどうしたいんだろう」と考えてみたんです。そこで出てきたのが、「家でどう過ごすのかを家族みんなに伝える」ことでした。例えばわたしが「ママは食器を片付けたよ」とだけ話すと、夫は「じゃあパパは○○をやろうかな」と返してくれるんです。

そのうちに、夫も「ママが平日、仕事でできないことが多いから、週末にみんなで手伝って片付けよう!」と言ってくれるようになりました。

我慢をやめて、自分のことだけを話して、判断は相手にまかせるようにしたらとても楽になりました。

ーー(Sさん)ーー

行きしぶりが始まった頃は「毎日休ませるなんて」と何とか連れて行こうとしていました。
今振り返ると、すごく嫌な記憶を積み重ねてしまったと後悔しています

息子は今も朝「家を出るのが一番ハードルが高い」と言っています。それはわたしのせいだと思っています。
これからは良い記憶で上書きしたいです。

行きたくないときに「行きたくない!」と言えるのは良いことだし素晴らしいことで、自分のことが良く分かっているんだなと思うんです。

ーー(Aさん)ーー

本当にそう!息子が癇癪を起こすのは、親のわたしのことを信頼しているから、素直な自分の気持ちを出せるんだって思っています。

話は逸れますが、わたしの仕事の関係で、研究者でとても優秀な方なのに、メンタルの病気になってしばらく職場を休んでいた方がいたんです。
その方とお話ししたら「一番ひどかったとき、周りから見れば明らかにおかしいのに、自分では全く自覚できていなくて、家族に『おかしいよ』と言われて初めて病院に行った」と言っていました。

そのときにわたし、「自分がどう思うのか、自分がどういう状態なのかが分かるって大事なんだ」と思ったんです。

自分で「あ、自分は今しんどいんだな」と自覚したら、病院に行こうとか誰かに話を聞いてもらおうとか、何か対策ができるじゃないですか。

だから、息子が自分の状態を自覚して「僕、行くの嫌だよ」と言えるって生きていくうえで一番大事な力なんだなって感じたんです。

編集部:

お子さんが行きしぶったり、不登校になるのはママとしてはつらいこと。だけど、自分の気持ちに気づいて、それをママに言えたというのは素晴らしいこと!

行きしぶりが増えてきていて、社会問題にもなっていますが、そこを問題にするのではなく、これから子どもたちが過ごしやすい社会に変えていく方向にいけたらいいですよね

子ども一人一人の特性・個性を「脳」に注目して見つけてみませんか?こちらから脳タイプチェック!▼

トークテーマ③子どもがお休みしたとき、自分の予定はどうしていますか?

編集部:

次は、お子さんがお休みしたときの予定の立て方をお話したいと思います。

ーー(Wさん)ーー

わたしの仕事は在宅ですが、働く時間をあらかじめ前日に自己申告する制度があるため、急に学校を休んだときはその予定の中で子どもと関わるようにしています。

もし、そこでできなかった仕事がある場合は時間を上乗せするとか、週末に振り替えたりとか、そのときに応じて臨機応変に対応しています。

また、平日には外仕事の用事を立てることはできないです。まだ息子は小1なので、ちょっとした買い物くらいなら良いけれど、何時間も家を空けるのは避けています。

ーー(Aさん)ーー

今は週1で在宅勤務をしていて、その他は出勤して時短で働いています。

出勤するときに急に休んだら、同居の義母にお願いをしています。
息子は、ばあばとのお留守番も楽しみにしているので、家のおもちゃで遊んでリフレッシュしているようです。

ーー(Sさん)ーー

前職が看護師をしていたんですが、そろそろ復帰したいので派遣登録をしています。
派遣の仕事がスポットで入った日は夫に在宅をお願いしています。

派遣の他に、ぶどう農園のお仕事もしています。
ママに優しい職場で、シフトはあるけれど、行きたいときに行っていいシステムで自由な職場なので助かっています。

ママのお仕事が、子どもの社会科見学につながった!

ーー(Sさん)ーー

長男は「自分のせいで仕事ができない」と思っていたようなのですが、わたしがぶどう農園で楽しく働き始めたのが嬉しかったらしく、学校で「うちのママ、ぶどう園で働いているんだ」と担任の先生に話したみたいなんです。

すると、学校から「ぶどう農園の農家見学をさせてもらえないだろうか」と打診がありました。
コロナ前から、学校で社会科見学は農家見学と決まっていたのですが、コロナで見学先が見つからなくて探しているところだったそうです。

そのことががきっかけで社会科見学の農家見学が、わたしの職場のぶどう農園の見学になりました

編集部:

素敵なエピソードですね!^^

きっと、息子さんも嬉しかったのではないでしょうか。

お子さんの行きしぶりで、同じように悩むママへのメッセージをお願いします

ーー(Aさん)ーー

人として生まれた以上、自分らしく生きるのが素晴らしいこと。
発達でこぼこの子は自分を発信できる子なので、それを信じて頑張りましょう

トーマス・エジソンのお母さんの有名な逸話があるのですが、
学校から「エジソンくんはもう来ないでください」と言われたとき、「あなたは優秀だから、これからはママが教えるね」と、お母さんが発達でこぼこのエジソンを導いたそうです。
わたしこの話がとても好きなんです。

自分を励ましながら、頑張っていきましょう。

ーー(Sさん)ーー

息子に対して、普通に学校に行ってほしいと思っていました

「学校に行く・行かないは本人にまかせる」、わたしがここに行きつくまでに、息子はたくさん傷ついたと思います。
目先のことだけじゃなく、もっと先のことを見据えると楽になることをもっと皆さんに知ってほしいです。

ママ友や周りの目がどうしても気になります。
けれど、自分を客観視できるようなってくると、何か言われたからと落ち込まずに自分で決めたことを貫き通すことができるようになってきます。

わたしも子どものため、何度もブレながらも悩まなくなってきました。

嫌になったら息子をパパに任せています。
「逃げてもいい」
子どもだけじゃなくて自分も逃げていいんです。

ーー(Wさん)ーー

ひとりで頑張らなくていいんだな、とお母さんの小学校での学びを始めてから思えるようになりました。
それから自分だけで考えるはやめて、できるかどうかは別にしてなんでも聞いて確認してみようと思えるようになったんです。

いま息子は教室じゃないところで過ごしています。

息子が初めてその別室に行くときに「ママとしばらく一緒にいたい」と言ったので、聞く前に諦めるんじゃなくて、教室のコーディネーターさんに確認してみたら「いいですよ。大丈夫ですよ」と言ってくださったんです。

また息子はぬいぐるみがあると安心するんですが、以前なら「持って行くのは、きっとダメだろう」と思って聞くことすらしませんでした。
ですが、勇気を出して先生に確認してみたら「良いですよ」と快諾されました

こういったことはたくさんあると思います。「学校だからダメだ」じゃなくて、学校の先生や周りの人を信じて、確認と相談をしながらやっていこうと思います。

編集部:

それぞれ悩んでも、お子さんを信じて工夫されているんですね!

幼稚園や学校を行きしぶったり、お休みが続くと、ママも不安になってしまいがちですが、決してママひとりだけではありません。

ななほしのママもこうして励まし合って、一緒に歩んでいます!

みなさん、素敵なお話をありがとうございました!

編集者:ななほし広場編集部

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