園から一斉指示が通りにくいと指摘されると、もうすぐ小学生なのに大丈夫かな?と心配になりますよね。子どもが話を聞けない理由は「聞く力」と関係しています。入学前におうちでできるお耳トレーニングをご紹介します。安心して入学を迎えましょう! |
指示が通りにくいワケ
就学の時期が近づいてきましたね。
小学校進学前に園の先生と面談されるご家庭もあるかもしれません。
そこで、「集団生活での指示が入りにくいところがあるかもしれません…」と指摘があると、もうすぐ小学生なのに大丈夫なのかな?もしかしてうちの子、何かあるんじゃないのかな…?と不安になる気持ち、良く分かります。
普段の生活の中でも、言うことを聞けないという困りごとがあると、なおさらですよね。
脳の仕組みから考える、指示が聞けない問題
指示が通らないのは発達障害かもしれないから。と表現されることが多いですが、脳の仕組みの観点から考えてみましょう。
脳の中には、見るエリア、記憶するエリア、理解するエリアなど、機能ごとに場所が分かれており、それぞれが連携しあって働いています。
脳のこのエリアは発達しているけれど、このエリアは未熟。というふうに、当然ながら脳の中のでこぼこは誰にでもあると言われています。
そのでこぼこの差が大きく、本人や周りが困っている状態で専門のお医者さんに診断をつけられたときに、発達障害があると言われます。
指示が聞けないのは発達障害だからというよりも、聞くエリアの脳の発達がゆっくりだったり弱めだったりするので、口頭での指示(聴覚から入る情報)が理解まで辿りつきにくいと考えた方が分かりやすいかもしれません。
こんなことないですか?聞く力チェック!
・最後まで話を聞いてくれないなぁ
・言われたことをすぐ忘れちゃうなぁ
・一斉に話を聞く場面でもキョロキョロソワソワしてるなぁ
・声のボリュームの調節が難しそうだなぁ
・はみがき、きがえなど習慣のことなのに何度言ってもできないなぁ
・出し抜けに話題と関係のない話をし始めるなぁ
・約束してもすぐ忘れちゃうなぁ
・〇〇くん!(ちゃん)って呼んでも一回じゃ返事しないなぁ
こんな感じのお子さんは、聞く脳のエリアの発達がのんびりなのかもしれません。
実は我が家の息子がそうなんです!
先生からの一斉指示に他の子の動きを見て動き出したり、言葉の発音が独特だったり、会話がかみ合わずちぐはぐだったり、〇〇くんと呼ぶと何十秒後に「は~い」と時差の返事。
今思い返すと、聞く力が弱めなのかな?と感じるきっかけが小さい頃からいくつもあったのでした。
聞く力が弱いと小学校で困るの?
さて、なぜ入学前に聞く力を重要視するのかというと…
ズバリ!小学校生活のほとんどは、耳から入ってくる情報で成り立っているからです。
授業は、先生が話すことを聞いて、考えたり作業したりするスタイルが主流ですよね。
聞く力が弱いと授業についていけなくなったり、指示などを聞き漏らし失敗して恥ずかしい思いをしたり怒られたりしてしまうこともあります。
特に繊細なタイプのお子さんにとっては、この体験は避けたいですよね。
だから入学前の今こそ、聞く力を育ててあげたいのです!
次章では、どうしたら聞く力が伸ばせる関わりができるのかをお伝えいたします。
おうちで楽しく聞く力をトレーニングしよう!
我が家では、お耳強化月間と称し聞く力を底上げする作戦を、息子には気付かれないように(笑)実行しました。
その具体的な方法をご紹介したいのですが、ここで注意です!
耳のトレーニングを実践する前には条件があります。
それは、子どもの聞く耳がオープンの状態になっていること。
もし今、子どもとの会話が指示出しやダメ出しばかりでしたら、一番初めに紹介する方法から試してみてくださいね。
子どもの聞く耳をオープンにするコミュニケーション法
想像してみてください。
自分のことを良く言ってくれたり、興味を持ってくれる人がいたら、だんだんとその人に好意を持ちませんか?
その人に好意を持つと、その人が発する言葉をもっとよく聞ききたい!となりませんか?
子どもがしている日常生活の当たり前のこと(起きたんだね!)、興味のあること(その電車の名前なんていの?良く知ってるね!)、些細なできていること(お母さんの話を聞いてくれてありがとう)を言葉にして、声を掛けることを意識してみてください。
子どもを、もっと話を聞きたい!という気持ちにさせると自然とお耳が聞く状態に整っていきます。
このとき、笑顔で・ゆっくり間を取り・柔らかい声で声を掛けるのがポイントです。
視覚から情報を取り入れる方が得意な子は特に褒め言葉+笑顔を意識してみてくださいね!
褒めてるのに反応がイマイチだなぁと感じたら、こちらの記事を参考にしてみてくださいね
『見た目が9割!?褒めても喜ばない子の子育てが今よりちょっと楽しくなる褒め方のコツ』
トレーニング① お耳だけ おはなし会
おうちで楽しく聞く力をトレーニングする方法のひとつは、こちら。
我が家は寝る前に本を読み聞かせる習慣があったのですが、その読み聞かせを「お耳だけ」にして取り組んでみました。
「今から面白いお話読むよ~!お耳でよ~く聞いててね(^^)」と、3分程度で読める短めのお話を読みます。絵本だとどうしても挿絵が見たくなってしまうので、我が家は文章だけ書いてある本にしました。読み終わったら、お話についての質問をしていきます。
例えば、ももたろうのお話を読んだとして、
「おばあさんは川でなにを見つけて持ち帰ったの?」
「うまれた赤ちゃんをなんと名付けたの?」
「ももたろうが一番初めに出会った動物は?」
など、子どもに合わせて質問の難易度を調節しながら聞いていきます。
正しく答えられなくても大丈夫!
楽しいね、面白いね、良く聞いてたね!と褒めて終わることができたらOKです。
トレーニング② お耳だけ おんがく会
もうひとつは、歌を聴くことです。
音楽や歌詞のある歌を意識して聴くことで脳の聞くエリアを刺激することができます。
我が家では、好きなアニメの主題歌を一緒に聴いてみよう!とYouTubeで曲を流しながら、ワンフレーズずつ注意深く聞いていました。
このとき画面は観ず、何と言っているのか歌詞の当てっこゲームをします。
「今、〇〇って言ったね!」「この部分〇〇って言ってるよ、面白いから聞いてみて!」なんて誘いながら、少しだけ集中できるように声掛けをしていきます。
我が家も取り入れていた聞く力を鍛える遊び「スリーヒントクイズ」が紹介されている記事はこちら!アレンジでき面白いのでオススメです(^^)
『発達障害・グレーゾーンの子どもが小学校入学までにできるようにしたいこと〜「聞く力」を身につけよう!』
ここでも覚えさせるのが目的ではなく、楽しく興味を持って意識を向けて聞けることがゴールです。
トレーニングと言っても、ゴリゴリにやらせる類のものとは180度違います。
ヒトの脳、特に幼児期の脳は、”好き” ”楽しい” の感情を味方につけると発達がよりスムーズにすすみます。ですので、お子さんの好きなことを思い浮かべて、お子さんが楽しいと思える内容で取り組むと効果的ですよ!
我が家も継続してやっています!もし、もっと楽しいお耳トレーニングが思いついちゃった!という方、ぜひ教えてくださいね(^^)
入学前に楽しくちゃっかり子どもの聞く力を伸ばしてあげたいですね。
執筆者:ひきのなつき
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