時間に合わせて行動できない子どもにイライラガミガミ怒っていませんか?時間管理の能力は、脳の中の記憶力と密接な関りがあると言われています。いつものおでかけを「自分ごと」にするだけで、記憶の脳を刺激し時間を意識して動ける練習方法をお伝えします! |
時間が守れなさ過ぎる子どもにイライラ
何度もお約束をするのに、なかなか時間が守れない子どもにイライラ。
最後にはドッカーン!と怒ってしまうこと、ありませんか?
時計は読めるし、記憶力だってそこまで悪くないはず、素直な子なのに、どうしても時間を守れない子っていますよね。
この困りごと、実は「時間管理能力」と関係があります。
時間管理能力って何?
時間管理能力とは、時間の見当、時間の見積もりが上手にできるかどうかの能力です。
この力が育ってくると、時間に合わせて行動できるようになっていきます。
実はこの時間管理能力、脳の中の記憶を司るエリアと密接な関りがあるのです。
ここで、「うちの子は記憶力は悪くなさそうなのに?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
記憶の脳エリアの働きは、「覚えること」だけでなく「思い出すこと」の機能もあります。さらに、過去の記憶だけでなく未来の予定を覚えておいたり、時間の処理や順序を処理することも記憶の脳エリアの役割でもあります。
記憶の脳がゆっくり発達する子やでこぼこがあると、時間の管理が不得意になることがあるのです。
実は私も時間管理苦手かも…こちらの記事で時間上手になれるポイントをお伝えしています▼
時間管理能力は今すぐ身につけた方がいい?
そもそも幼児期は脳の発達途中なので、時間の感覚が希薄だったり、自分で時間を管理することはできなくて当然です。
なので、大人側がむやみに怒る必要もないですし、自分で時間を守れるようにしないと!自分から時間通り動けるようにさせないと!と、躍起になる必要はありません。
ですが、小学校に入ると、自分で時間を見ながら行動することを求められることが多くなります。
実際に、休み時間を守れなくて先生にこっぴどく怒られたという話も聞きます。
家でも怒られて、学校でも怒られて…、失敗したことで傷ついて自信をなくすことを避けるために、時間を意識して動けるようになるといいですよね。
幼児期の今は、時間を意識できる脳が育つような土台作りをしてあげましょう。
おでかけで「記憶の脳」が刺激できる?
記憶の脳が育つ土台作りとして、おでかけは最適です!
なぜなら、おでかけは記憶の脳を刺激する要素がいくつもあるからです。
記憶の脳が刺激されるタイミングは、
・身体を動かしているとき
・感情が動いているとき
・理解したり、考えているとき
です。
おでかけは、運動にもなり、楽しい・驚きなどの感情も出やすくなります。さらに、おでかけを「行かされる」ではなく、自主的な「行く」おでかけになると、理解したり考えたりすることになり、記憶の脳を刺激できます。
おでかけが「他人事」から「自分ごと」になるように活用できたら、記憶の脳を鍛え、時間に合わせて行動する直接的な練習にもなります。
次章では我が家で実践した例を参考に、おでかけを「自分ごと」にして時間を意識する方法をお伝えしますね。
普段のおでかけを発達支援に変える方法、こちらの記事で紹介しています▼
おでかけが時間管理の練習になる方法
我が家ではおでかけの際、以下の2つのことを実践しています。
①おでかけが自分ごと化し、記憶の脳を刺激しながら時間を意識して動けるために
「準備」おでかけのしおりを作ること。
②さらに、記憶脳を刺激でき「もっとおでかけを自分で考えたい!」と思ってもらうひと工夫として
「振り返り」写真アルバムを作ることをしています。
これで、楽しみながら記憶の脳を鍛え、時間に合わせて動く練習をしています。
①「準備」おでかけのしおりを作ること
しおりと言ってもおおげさなものではなく、用紙1枚に簡単に書きます。
ある日の我が家のしおりです。
テーマ:イルカのショーを見たい!
行く日:〇月〇日(曜日)
行く所:〇〇〇水族館
〇時〇分 おうちを出発
〇時〇分 電車に乗る
〇時〇分 水族館に着く
〇時〇分 イルカのショー
〇時〇分 お昼ご飯を食べて遊ぶ
〇時〇分 水族館を出ておうちに帰る
持ち物:腕時計、カメラ、お絵描き帳、えんぴつ、水筒、お菓子
作り方のポイントとしては、
★何をしたいのか、何をするのか、を子どもに決めてもらうこと
★何をしたいのか、何をするのか、を時系列でざっくり書き出すこと
おでかけを計画するところから、子ども主体で進めることで、おでかけが「自分ごと」化します。そして、時間を書くことで見通しが立ちやすくなり、意識して時間に合わせて動く練習にもなります。
要は、「自分がやりたいことをするためには時間を意識した方が良さそうだ」と認識してもらうことが大事。
うちの息子は耳で聞くよりも視覚から情報を入れることが得意なので、しおりのような目で見て何度も確認できるものは時間を意識する点でも効果がありました。
このしおりを当日、ミッションカードとして子どもに持たせ、わざと「隊長!ショーの時間は何時か教えてください!」など質問して答えてもらうと、自然と自主性や時間を意識させることができますよ。
水族館へ行くなら、まずはこの記事を読んでみると子どもの発達を伸ばすプロデュースができるかも!?▼
②「振り返り」写真アルバムを作ること
おでかけから帰ってきたらもうおしまい!ではなく、作成したしおりを活用しながら、おでかけの振り返りをオススメします。
なぜかというと、「自分で考えたおでかけが楽しかった!」の記憶を成功体験として脳に定着させるためです。
そのためにわが家では、しおりやお出かけ先で撮った写真、電車の切符や入園券がとじられるアルバムを作っています。
息子と一緒にアルバムづくりをしながら、「イルカショーの時間を教えてくれたよね」「○○くんが作ったしおり、役に立ってたよね!」など褒めの声掛けをしていますよ。
アルバムはあとで見返せるので、何度も見て思い出せ、また記憶に入れることができます。
「自分ごと」のおでかけをすることで、記憶の脳を鍛え、時間を意識して動ける練習が楽しくできますよ!
わが家はこの方法を取り入れてもうすぐ1年が経ちます。小2の息子はおでかけの際、時間に合わせて動くことを楽しめているように感じます。
すぐにはうまくいかないことも多いですが、発達の土台の基礎を作っていく感じで焦らずやっていこうと思っています。
ぜひ、”心が動く”おでかけを親子で楽しみながら、子どもの発達をサポートしてみてくださいね^^
子連れおでかけの際に役立つ情報はこちらのまとめ記事から▼
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執筆者:ひきのなつき
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