公園からなかなか帰らない子どもに手を焼くことってありますよね。我が家の息子も2~3歳の頃、本当に手を焼いていました。すんなり帰ってくれるようになるには、子どもとお母さんの良好なコミュニケーションとちょっとしたお約束で叶うかもしれませんよ! |
なかなか帰らない息子にイライラ
幼児期の子どもと公園で遊んでいると、お昼ごろや夕飯時間近くになるとママの「そろそろ帰ろうー」の声がよく聞こえてきます。
スムーズに帰るお子さんもいれば「やだー!まだ遊ぶー!」というお子さんも多く、ママは「これで最後だよ!」などあの手この手で子どもを帰る気持ちにさせています。
我が家も息子が2~3歳のころは本当に手を焼いていて、いつも最後に帰る親子でした。
息子はよく動くこともあり公園遊びが大好きで、毎日午前中に近くの公園に遊びに行っていました。
公園を端から端まで走り回り、滑り台、砂場、ちょっとした森の探索と、遊びを満喫していました。
そして、正午頃、公園のお友達は徐々に帰り始めます。
よく会うお友達も12時ごろになると、ママの帰ろう!という声に2,3回で反応し、スッと帰って行きます。
しかし、我が家は「そろそろ帰ろうか?」と言うと「まだ!まだ!」と言って愚図ってしまいます。
私は「じゃあ、長い針がここまで来たら帰ろう?」と言って腕時計の15分先を見せます。
「うん」と息子がいうので付き合うのですが、絶対その時間になっても帰りません。
10分延長、さらに10分延長、しまいにはまた誰か来てしまい、人懐っこい息子はまたその子と遊びだし30分延長、結局その子も帰ってしまうと、また公園には私と息子だけ。
すると今度は「おなかが空いたー!」と愚図りだします。
「だからママは帰ろうって何度も言ってたでしょう!?」と私のイライラが爆発。
帰り道はだいたいベビーカーで大きな声で泣いて暴れる息子を押しながら、おやつやジュースでなんとか落ち着かせながら「なんでうちだけいつもこうなんだろう?もうイヤ…」と本当は行きたかったスーパーにも寄れずに早歩きで帰っていました。
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聞く力とママの声かけの関係
後にわかったことですが、息子は聞く力の発達が未熟でした。
それは私のコミュニケーションにも原因がありました。
脳は様々な働きをするエリアを木の枝のように伸びたネットワークでつなぎ指示を出します。
ママの声かけを聞くことは、聞くエリアと物事を理解するエリアが大きく関係しますが、この2つを結ぶネットワークがあまり使われていないと話を聞いても理解することができません。
では、どのようにしたらネットワークが活発に使われるようになるのでしょうか?
それは、ママの話し方が鍵を握っています。
子どもは大人が話す言葉の内容よりも、雰囲気や表情などの非言語情報を先に受け取ります。
そのため、大人がつまらないと思っていたり、自分に興味関心が向いていないということは割と敏感に察しています。
すると人の脳は否定的なことには反応しないという仕組みがありますので、その状態からのママの指示は子どもの脳が反応しない=声は届きにくいということになります。
ですから普段から子どもに対し興味関心を持ち、笑顔で接するコミュニケーションが大切になってくるんですね。
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癖になったら困る!怒りっぽい脳は早めに卒業しよう!
幼児の脳の発達は成長段階ですので、すべてに聞き分けがいい子はいないのですが、ママにとってなかなか子どもが言うことを聞いてくれない…と困りごととして悩みが続いているようでしたら、日ごろのコミュニケーションを見直すのはおすすめです。
脳は怒ってばかりいるとそのネットワークが強化され、怒りやすい脳になってしまいます。
これは子どもも大人も同じですから、お子さんとのコミュニケーションを見直しながらママの状態も整えていけるといいですね。
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公園からスッと帰れる3つの方法
では、私が実際に取り組んだ方法をご紹介しますね!
肯定のコミュニケーションで聞く耳を育てる
肯定とは、褒める、認める、励ます、興味関心を示すなどです。
脳は否定的なことには反応しませんので、日常生活のお子さんの行動をいつも肯定の目で見てあげてほしいのです。
笑顔で、ゆっくりと、優しい口調で「〇〇しているんだね」「〇〇したかったんだね」「もうここまでやれたの!」「これ素敵!どうやったのか教えて」など、お子さんの行動に対し肯定的に伝えます。
すると「ママはいつも自分を認めてくれる!嬉しい!」と感じママの発する言葉が楽しいものだと理解し、様々な場面で話を聞こうとするようになります。
それが聞く力を育てるベースになります。
出発前のお約束
聞く力が成長途中のときは、子どもが落ち着いて話を聞ける状況で約束することがとても大切です。
子どもがママの目をみて話が聞けるタイミングで伝えましょう。
我が家の場合は、公園の近くで約束すると早く公園に行きたくて私の話は上の空になってしまうので、家を出発する時に玄関の中でお約束をしていました。
「今日は公園で遊んだら、12時に公園を出て、おうちに帰るよ、OK?」と子どもと目の高さを合わせて、両手を握って笑顔で優しくゆっくりと伝えていました。
何時間も前に伝えて覚えているかな?と思われる方もいらっしゃると思いますが、聞く力が少しずつ育ってくると、お約束を覚えていることが増えてきます。
それはしっかり脳に届いて理解できている証拠ですよ。
コミュニケーションの土台を整えながら焦らずにやってみてくださいね。
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公園遊びは脳が発達してる!と見る
子どもの公園遊びに、ただただ付き合うのは、ママの脳が活性化していないので疲れる一方です。
発達や脳科学を学ぶと、子どもの遊びが脳を発達させ、困りごとが減ってくると理解できるようになります。
私も子どもの遊びをただ付き合うのではなく、脳が発達しているという視点で見るようになったら、不思議と時間が過ぎるのが早いのです。
例えば滑り台。
まず階段では、手足の機能を調節する運動エリアを使っています。
大人にとっては当たり前に感じることですが、成長段階の幼児は、目で確認し、脳の運動エリアから体の筋肉に指示が出され、手足を目的のところにちゃんと置くというトレーニングになっています。
次に、一番上まであがると、空間認知能力の発達に役立ちます。
下で見ていた見え方とは違い、ベンチまでの距離感や下にいるママとの高低差を視覚や聴覚を使って理解していきます。
空間認知能力は、車と自分との距離感を掴むときに使われる能力ですから、危険から身を守るためにも育てたい能力ですよね。
そして、最後の滑るところは、速さの感覚を自分で掴むトレーニングになります。
自分にとって安全なスピードの感覚を体得することにつながります。
ストライダーや自転車など、自分で操作する乗り物を乗るようになると絶対に必要な感覚になりますので、滑り台でも体得できるなら何回でも滑って欲しいですよね!
よくそれぞれの場所で止まって動かないお子さん、いますよね。
その子は、まさにその場所から脳にたくさんの刺激を受けていて脳のネットワークが太く成長しているときなんです。
そんなときは「早く進みなさい!」ではなく「そこ、面白い?」と笑顔で聞いてあげてくださいね。
きっとそこにいる理由を話してくれますよ!
ネットワークが太く成長すると、その場所にはあまり執着しないで次の遊びをするようになりますので、おおらかな気持ちでいましょうね。
このように滑り台1つでも、子どもの脳が反応している!成長している!という視点で見ていると(ちょっとマニアックかもしれませんが…笑)ママの脳も活性化され、見ていても飽きずに自然と一緒にいる時間を楽しめるようになってきますし、子どもも自分に興味関心をもってくれていると感じ、公園遊びに満足していきます。
その満たされた気持ちと、聞く力と、事前のお約束が合わさると「もうすぐ12時になるんだけど、そろそろ行く?」の声かけがだんだんスムーズになっていくのです。
公園からスムーズに帰るというのは私も難しいと感じていましたが、お子さんにあった方法が見つかれば決して難しくないことです。
お子さんとのコミュニケーションを笑顔に変えて、ママ自身の脳も穏やかに変化させていき、お子さんとの公園遊びを充実した時間に変えていってくださいね!
今日もお子さんとの楽しい時間がすごせますように。
執筆者:宮代さちこ
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