薬を飲まないわが子にお困りではありませんか?子どもたちが薬を嫌がるのは、感覚の感じ方やコンディションに理由があるかもしれません。ノウハウだけでどうにもならない問題を、ママだからこそできる声かけや態度で穏やかに解決していきませんか? |
薬を飲まない子どもと親子バトル?
お薬嫌いな子どもって多いですよね。
早く良くなってほしくてママは試行錯誤…。
その努力むなしく「イヤだ!お薬飲まない!」と言われ、気が付けばちょっとした親子バトルになっている、なんてことはありませんか?
私の息子は、偏食が多く、食べられないものがたくさんあります。食べるものに対するこだわりと不安の強さが目立ち、初めて口にするものはとても警戒します。
ということで、同じように口を経由して体に入れるお薬も苦手なんです…。
私は現在、ななほしママライターとして活動している一方で、薬剤師としてたくさんのお薬や患者さんと向き合うお仕事をしています。
お薬を飲まないお子さんに頭を抱えるママへ、ヒントになればうれしいです。
子どもが薬を嫌がる理由
それでは、子どもがお薬を嫌がる理由を考えていきましょう。
感覚の過敏からくる苦痛?
まずは味の問題です。
製薬メーカーさんの努力でかなり飲みやすくなっているとは言え、普段あまり口にすることのないちょっと化学的な(?)味に抵抗感があるお子さんは多いと思います。
そして、口当たりの問題。
粉薬だとザラザラ感が口の中に残ってしまうことに苦手を感じる場合もあると思います。
自閉症スペクトラム(ASD)の特性があるタイプには、感覚面に独特の過敏性をもつ子どももいて、特性がない子どもに比べるとより服薬が苦痛…ということもあるかもしれません。
薬に対するこだわり?
なかにはお薬の見た目にこだわりがある子どももいます。
これもASDの特性の1つで、「白い粉薬しか飲まない」「パッケージの形や色はコレ」など、周りから見ると「?」となるような独特のこだわりをもつ場合があります。
そのため、自分の思うような見た目ではないお薬を拒否してしまうということもあるかもしれません。
こだわりをどう考える?でこぼこ息子とのこだわり戦争の終着点はこちら▼▼
実はこんな問題も…
一般に、体のコンディションが悪いときに子どもの困りごとは目立ちやすくなります。
おなかが空いているときや眠たいときにイヤイヤが激しくなるのと同じで、風邪などの体調不良なときは大人の指示は通りづらくなります。
そこに拍車をかけるように、ママがお薬を飲まそうと怖い顔になっていたらどうでしょうか。
子どもは見た目の情報をキャッチしやすいので、「このママの顔は非常事態!これはネガティブな情報に違いない!受け入れられない!」となってしまう可能性があります。
ノウハウを活用するために必要なこと
子どもにお薬を与えるノウハウとしては、何と混ぜるといいとか、粉がダメならシロップや坐薬があるとか、ハード面のテクニック的なものはいろいろあります。
ただし、残念なことにそんな教科書的なノウハウだけではどうにもならないのが子育てですよね…。
(私自身も、「思ってたのと違う!!」と何度感じたことでしょうか。笑)
このようなノウハウを最大限に活用するために不可欠なのが、お薬を飲ませようとするママの声かけと態度ではないかと思うのです。
子どもがグズグズと薬を飲まない様子を見ると、ママはやっぱりイライラしてしまいますよね。
鬼のような顔をして、「お薬飲まないと治らないよ!」と脅すような声かけをして、泣いているわが子の口の中に何とか薬を押し込んで…。
これ、子どもにとっては良くない記憶です。
今回はなんとかクリアしても、結局またすぐやってくるお薬の時間。そしてさらに積み重なるネガティブな記憶…。
このままではお薬嫌いになってしまう可能性があるので注意が必要です。ぜひ、親子ともに穏やかに療養期間を過ごすコツを知ってくださいね。
ノウハウだけでうまくいかない子育て…どうして?を知りたいママへのおすすめはこちら▼▼
薬を飲まない子どもへの対応はこれ!
◆こだわりはできるだけ受け入れて
お薬は、どちらかと言うならば飲めたほうがいいです。とは言え、飲めない子は本当に飲めません。
そして、大人になっても「漢方薬は苦手で…」「大きな錠剤はちょっと…」という人は一定数いると感じます。
そういう人たちがどうしているかと言うと、同じ成分で違う形状の薬を探したり、飲める形状の似た成分の薬を探すという風に対応します。
つまり、長期的に考えれば何とかなるように思います。
ですので、あなたのお子さんにも“これなら飲める!”というやり方があるのならそこを優先してあげてくださいね。
(大きな声では言えないのですが、飲まなくても良さそうな薬は潔くあきらめましょう!)
困ったときはぜひお医者さんや薬剤師さんに相談してください。
◆前向きな言葉を選ぼう
「飲まないと治らないよ!」ではなく、「飲むと治るよ♪」という表現がおすすめです。
意味は同じでも、受け取り方が全然違うと思いませんか?
「お薬が飲めたら咳コンコンがなくなるよ」「このお薬がお熱を下げてくれるんだよ」と、ぜひ前向きな言葉を選んで教えてあげてくださいね。
特に、私の息子のように言葉で伝えたほうが納得してすっと行動できるタイプには効果があると思います。
上手にコミュニケーションがとれるようになってきた幼児期以降には、ぜひお薬の存在や飲む目的を教えてあげてくださいね。
◆「楽しい♪」を戦略的に取り入れる
わが家の息子はまだ水で粉薬を飲むことができませんが、チョコアイスにのせて提供することで飲んでくれます。※小3ですがこだわりを許容しています。
添える声かけは「お待たせいたしました!スペシャルお薬パウダーのっけアイスでーす♪」です。
ちょっと楽しくなるような声かけ、とても大事です。子育てにおいて「楽しい♪」は戦略だなと感じています。
少し言葉を変えるだけでその場の雰囲気が変わるのでいろいろ試してみてくださいね。
こちらで詳しく!楽しいは戦略ってどういうこと?声かけ例も紹介しています▼▼
◆心に余裕を生むあたたかい声かけを
体調を崩してママの指示を聞き入れる余裕がないときだからこそ、ママの言葉の力を生かして安心させてあげることをおすすめします。
なぜかと言うと、見通しを立てることが苦手な子どもたちは、今のつらい状態の終わりが想像できず不安な気持ちでいっぱいになっていることが少なくないからです。
ですから、「大丈夫よ。絶対治るからね。」といった言葉を届けてあげましょう。
こうすることで、不安な気持ちがやわらぎ心に余裕が生まれるため、「お薬を飲もう」というママの指示がちょっと入りやすくなります。ぜひ試してみてくださいね。
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執筆者:大塚 ひかり
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